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 10月14~16日、岐阜県高山市を拠点にJRC全日本ラリー選手権第8戦『第49回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2022』が開催され、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)が総合3位表彰台を獲得した。また、チームメイトの眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)も総合4位に続き、チームは2台揃っての入賞で2022年シーズンを締めくくった。

 昨年よりGRヤリスをベースとする『トヨタGRヤリスGR4ラリー』を全日本ラリー選手権に投入し、最上位カテゴリーであるJN1クラスを戦っているTOYOTA GAZOO Racing。ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ今季は、移籍後即王座を獲得した勝田が第3戦久万高原と第7戦ラリー北海道で勝利を挙げたものの、前戦を終えた時点でライバルのヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)がチャンピオンを確定させ、王座防衛とはならなかった。

 そんな第7戦から5週間後に行われた今季最終戦の舞台は、3戦ぶりのターマック(舗装路)ラウンドとなる高山だ。SSの総走行距離は65.50kmと短いものの、気温の変化に合わせたタイヤの使い方や、変わりやすい天候への対応など、チーム力が問われる一戦となる。なお今大会は2019年以来、3年ぶりの有観客開催が実現した。

 最終戦に臨むトヨタチームは6月のモントレーまでに得た舗装路での積み重ねを活かし、ラリー北海道後にテストを2度実施。足まわりや駆動系、ブレーキなどに改良を施し、2022年シーズン集大成のラリーに挑んだ。

 15日(土)の競技初日、勝田は僅差の2番手争いを展開し総合3番手に。チームメイトの眞貝も安定したペースを披露し総合4番手につける。

 翌16日(日)の競技最終日は、3秒差の総合2番手・奴田原文雄(ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス)を追った勝田だったが、捉えることはできず総合3位でフィニッシュ。眞貝もミスのない走りで強力なライバルたちを抑え切り、総合4位で今季最終戦を締めくくった。

 2022年シーズンの最終結果は、勝田/木村組がシリーズランキング2位、眞貝/安藤組はランキング7位となっている。

勝田範彦(左)と眞貝知志(右)
勝田範彦(左)と眞貝知志(右)

■コバライネンとの戦いによって、多くの刺激を得られた1年に

「長いようで短いシーズンでした。最終戦も無事に走り切り、チームで3位と4位という、とても良い結果を得ることができました。僕自身も表彰台に立つことができましたし、眞貝選手の成長も感じています」と語った勝田。

「昨年から、チームとGRヤリスGR4ラリーは1戦ごとに進化を続けてきました。メカニックやエンジニア、全員が一丸となって頑張った結果、シリーズを2位で終えることができたと思います。ヘイキ・コバライネン選手とは、もう少し僅差の勝負がしたかったですね。今後もさらに進化し、高みを目指したいと思います」

 前戦でリタイアを喫した眞貝は、「スピードと確実性を両立させること」を自身の次なる課題に挙げた。

「何よりもラリー北海道のクラッシュの後、限られた時間でふたたび気持ちよく走れるクルマに修復してくれたチームの皆さんに感謝しています」

「JN1クラスに参戦して2年目のシーズンとなりましたが、学習に専念した昨年の1年目と比較すると、今年は結果も残さねばと、プレッシャーを感じることもありました。第5戦のモントレーでは2位表彰台を獲得できましたし、今回のラリーのようにコンスタントにトップ6のドライバーとも競い合えるようになりました」

「ただ、ドライバーのミスによるリタイアも2度あったので、今後はさらにスピードと確実性を両立できるドライバーにならなければならないと感じています」

 監督としてチームを率いる豊岡悟志氏は、「最終戦は色々な面で進化を感じ、良いラリーになったと思います。しっかり準備して臨めましたし、勝田選手と眞貝選手の要望に応えるべく、エンジニアとメカニックが1年間積み重ねてきた結果だと思います」とコメント。

「2022年は全体的にも良い流れのシーズンでした。とくにヘイキ・コバライネン選手と同じクラスで走ったことで、多くの刺激を得られたと思います。結果的に負けてしまったことは悔しいですが、ここまで健闘できたことは、ドライバーやスタッフのみんなが一生懸命に頑張ってきた成果だと言えるでしょう」

眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)
眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)