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 F1第20戦メキシコGPの金曜日のフリー走行後、角田裕毅(アルファタウリ)は前戦アメリカGPで、1回目のセーフティカー後の再スタート直前に受けた「再スタートの際に(チームメートのピエール・)ガスリーと争うな」というチームオーダーともとれるチームからの指示について、次のように語った。

「メンションはしておきました(ひと言、言っておきました)が、話し合うまでには至っていません。話し合うというか、あれはフランツ(・トスト代表)の指示だったので、チームも何も言えなかったんじゃないですか」

 アメリカGPから5日が経過し、メキシコで角田はすでに納得しているのだろうか。

「もう一度、同じ状況になったら、今度はもっと強く言います」と、角田のなかでこの問題は完全には解決していなかった。

 もう一度、同じ状況にならないためには、角田は常にガスリーの前にいることが重要となる。フリー走行1回目でリアム・ローソンにステアリングを譲った角田は、フリー走行2回目でガスリーを上回ると、予選前のフリー走行3回目でも15番手に終わったガスリーを上回り、トップ10内に入った。

【角田裕毅F1第20戦密着】
2022年F1第20戦メキシコGP 角田裕毅(アルファタウリ)

 マシンの調子は「金曜日から引き続きよかった」と言う角田は、気温と路面温度が上がってグリップ不足に悩まされるドライバーが増えた予選でも快調だった。Q1でも、12番手だったガスリーを押さえて9番手でQ2に進出。Q3進出を賭けた最後のアタックを迎える。

 しかし、ここでチームが後手に回る。ガスリーに続いて角田をピットアウトさせようとした瞬間、隣のガレージから2台のアルピーヌのマシンがピットアウト。アルファタウリのガレージはアルピーヌのガレージから見て進行方向にあるため、アルファタウリのメカニックは角田をガレージから出すことができず、2台のアルピーヌのマシンの後方でピットアウトするしかなかった。

「アタックに入る前のアウトラップの最後のセクターでは(前のマシンと距離を開けるためにアタックを)待たなければならなかったので、セクター1では(タイヤが冷えて)グリップ不足に悩まされました」と言う角田は、セクター1で自己ベストを刻むことができない。

 セクター1で失ったのは「言ってもコンマ1ぐらいですが、リズムもあるので……」という角田は、なんとかセクター2で自己ベストを更新したが、セクター3で再びリズムが崩れてしまう。

「最終的にはラップタイムとしては自己ベストを更新したんですけど、セクター1が想定していたよりも伸びず、そこでタイムをロスしてしまった分を取り返すことができず、もったいないことをしました」(角田)

 それでも、ガスリーをコンマ1秒抑えて予選13番手を獲得。日曜日のレースに向けて、「トップ10を狙えない位置ではないので、めげずに、あきらめずに頑張りたいと思います」と抱負を語った。

 アメリカGPとこの日の予選の悔しさを、日曜日のレースで晴らしてほしい。

【角田裕毅F1第20戦密着】
2022年F1第20戦メキシコGP 角田裕毅(アルファタウリ)