2022年6月1日に世界初公開されたレクサスの5代目RX。北米で開催された試乗会に、自動車評論家 山本シンヤが参加。注目のパワートレーンを搭載した「RX500h Fスポーツパフォーマンス」をメインにレポート。
●レクサス 新型RX 進化のPOINT
・パワートレーンは4種類。新開発の2.4Lターボハイブリッドに注目
・その2.4LターボHVにはe-Axle採用のDIRECT4搭載
・ひと目でRXとわかるスタイルで、デザインは超絶進化
・「大きなNX」という声もあるが、乗るとまったくの別物
※本稿は2022年9月のものです
文/山本シンヤ、写真/LEXUS、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月26日号
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■次世代レクサスのデザインを採用 注目は新開発の2.4Lターボハイブリッド
レクサスのビジネスを牽引する絶対的エースの「RX」が5代目に進化。
国内導入に先駆けてひと足お先に北米のサンタバーバラで行われた国際試乗会に参加。
今回は注目のパワートレーン搭載のRX500h Fスポーツパフォーマンスをメインで紹介していこう。
エクステリアは次世代レクサスのデザインを採用。
ボディに溶け込むスピンドルグリル、ホイールベース延長やトレッド拡幅によるスタンスのよさがあり、伸びやかさと柔らかさを備える。
インテリアは「TAZUNAコンセプト」に基づき物理スイッチを減らした操作系だが、メーターフードからドアトリムまで連続的につながる造形による奥行きのあるデザインでエレガントさを強調する。
パワートレーンはフロントに2.4Lターボ+モーターパラレルハイブリッド+クラッチ機構付き6速AT、リアに高出力モーターを協調制御して4輪の駆動力制御を行う「ダイレクト4」を搭載。
それはモーターアシストと言うよりも電動の過給機のようなイメージで、THSIIにはない小気味よさ、伸びのよさ、そしてダイレクト感を持った「気持ちいいハイブリッド」だ。
システム出力は372psで重量級ボディを「速い!」と言わせるパフォーマンス。
■クルマが小さく・軽く感じるフットワーク 意のままのコーナリング
クラッチ機構6速ATはトルコンレスとは思えない滑らかさだが、重箱の隅を突くと停止直前の回生ブレーキ→メカブレーキの受け渡しの際に、わずかにギクシャクしてしまう。
フットワークはクルマが小さく・軽く感じる。
コーナーの曲率に合わせて4つのタイヤを最適にコントロールするので、下手なスポーツカー顔負けの意のままのコーナリングが可能だ。
これは優れた基本素性+DIRECT4+DRSの合わせ技だが、制御モノにありがちな「機械に曲げられている」感覚は皆無で、「運転が上手くなった?」と錯覚してしまうほど自然だ。
こう書くと「ガチガチのスポーツ系?」と思われがちだが、通常走行ならこれらの性能は黒子となる。
RXの本来の姿である「ゆとり」、「重厚」、「優しい」を感じる乗り味となる。
乗り心地はほかのグレード比較でわずかに引き締められているものの、RXの世界観からは外れていない。
ゆったり走れるが、ひとたびアクセルを踏むと「これこれ!」と心躍る感覚を体感できるグレードだ。
■「NXの兄貴分」らしい“余裕”を備えたプレステージ性の高いモデル
RXにはほかに2.4Lターボ、2.5Lハイブリッド、2.5Lプラグインハイブリッドもラインナップ。
これらはNXから水平展開されるものだが、RXへの搭載にあたり静粛性が大きく向上されていたのが印象的だった。
重量がNXより重いためパフォーマンスはわずかに劣るが、逆にそれがRXらしいジェントルな味付けに感じ、不満を感じることはなかった。
そろそろ結論にいこう。RXは先に登場したNXの武器を活用しているので「大きなNX」だと思う人もいるが、実際に乗ると別物。
すべてにおいて兄貴分らしい“余裕”を備えたプレステージ性の高いモデルと言えるだろう。
●レクサス RX(500h F SPORT Performance)主要諸元(北米仕様)
・全長×全幅×全高:4890×1920×1709mm
・ホイールベース:2850mm
・エンジン:直4、2.4Lターボ+モーター
・トランスミッション:6速AT
・最高出力:372ps
・最大トルク:56.1kgm
・0-96km/h(0-60マイル/h)5.9秒
※公表されているスペックのみ表記。最高出力と最大トルクはエンジン+モーターの数値
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投稿 NXとは別物 レクサス新型RX 「ゆとり」「重厚」「優しさ」をさらに進化させた5代目の「上質な破壊力」と走り は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。