11月6日、2022年MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦 第54回 MFJグランプリ スーパーバイクレース in 鈴鹿のJSB1000クラス決勝レース3が三重県の鈴鹿サーキットで行われ、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝を飾った。2位は渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)、3位は亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)となっている。
日曜日最後のプログラムとして組まれたのは、JSB1000クラスのレース3。午後3時40分のスタート時も青空が広がっていた。
周回数は15周。好スタートを切って真っ先に1コーナーに侵入した濱原颯道(Honda Dream RT SAKURAI HONDA)はオーバーラン。替わって渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)がレースをリード。出遅れたかに見えた中須賀は、オープニングラップで順位を挽回して2番手で戻ってくる。
あっという間に渡辺の背後につけた中須賀。後続を引き離して一騎打ちに突入する。後方では作本輝介(AstemoHondaDreamSIRacing)、岩田悟(Team ATJ)、亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)が表彰台争いを開始。
4周目に表彰台争いの3台とトップ争い2台がひとつになって5台の首位争いに発展。さらに岡本裕生(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)、榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)も加わり、大きな集団に。
6周目。亀井が中須賀の前に出ると最終シケインで渡辺をも捕らえて一気にトップ浮上。レースペースが上がる。
8周目。中須賀が渡辺を捕らえて2番手浮上。この激しい展開でトップ集団は亀井、中須賀、渡辺、作本、岡本の5台に絞られる。
8周目の最終シケインで渡辺が中須賀を捕らえて2番手に上がる。9周目に中須賀が渡辺から2番手の座を奪い返す。中須賀と渡辺は何度もポジションを入れ替える。しかし亀井は2台を引き離すことができない。
残り4周を前にした11周目の最終シケインでいよいよ中須賀がトップに浮上。ラストスパートをかける。ついていけたのは渡辺だけ。亀井は作本、岡本との表彰台争いに移行する。
渡辺はファステストラップをたたき出しながら必死に中須賀を追う。しかし前に出ることはできない。
ラストラップ突入直前の最終シケインでついに渡辺がトップに浮上。中須賀はすべてのコーナーで渡辺の隙をねらう。ヘアピンで中須賀がインを差して首位奪回。渡辺も諦めずに何度もアタック。しかし二度とチャンスは訪れず、中須賀が全戦全勝を達成。ハイレベルな戦いに、観客席は総立ち状態だった。
■中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)/決勝レース3:優勝
「3レースやっているとお互い手の内が分かり、心理戦となりました。考えていることは一緒でしたね。プッシュしましたがなかなか離れず、でも最後に勝つことができたのでほっとしています。様々なプレッシャーがあり、最後は堅くなりましたが、パーフェクトなシーズンを過ごすことができてうれしいです。チームがミスなくマシンを造ってくれたので感謝しています。自分自身にも『お疲れさま』と言いたいです」
■渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN)/決勝レース3:2位
「今回は中須賀さんよりもスタートがよかったので、チャンスは作れたと思いますが、すぐ後ろにいることは分かっていました。タイヤをセーブするとペースが落ちてしまいますが、亀井選手が先頭に立ったので、いいペースになりました。彼の後ろでうまくタイヤをセーブできたなと思っていたら中須賀さんが来てしまいました」
「初めて終盤でトップを走ることができましたが、自分のミスでこの結果に終わってしまい残念です。やれるだけのことはできたという実感はあります。結果はまた2位ですが、いいレースだって言ってもらえるレースができたと思っています。来年については決まっていませんが、しっかりと準備していきたいです」
■亀井雄大(Honda Suzuka Racing Team)/決勝レース3:3位
「もうちょっとしっかりスタート練習します。毎回10位くらいまで落ちてしまったので。レース3は、セッティングを少しアジャストしたのがうまく決まり、いけるところまでいってみようと走っていたらトップに立つことができました。いつも中須賀選手と渡辺選手の後ろまでしかいけなかったので、結果的にはやっぱりやられてしまったけど、ふたりの姿を見られるところでゴールできました。チームのホームの鈴鹿で、最終戦で偉い方も来ていて、みんなが結果を喜んでくれたからよかったです」