2022年F1ブラジルGP決勝で、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、レース序盤の接触とペナルティが影響し、6位という結果だった。
レース序盤のセーフティカー後のリスタートで、フェルスタッペンは前を行くルイス・ハミルトン(メルセデス)に仕掛けた際に接触、フロントウイングの一部を失い、ピットに入らなければならなかった。このインシデントについて、スチュワードは、大部分の責任がフェルスタッペンにあるとして、5秒のタイムペナルティとペナルティポイント2を科した。
フェルスタッペンは、最後のピットストップ後に入賞圏内に戻り、順調に順位を上げていき、71周のレースの67周目には、タイヤに苦しんでいたチームメイトのセルジオ・ペレスをかわして6番手に上がった。
残り5周の時点で、4番手シャルル・ルクレール、5番手フェルナンド・アロンソ、6番手フェルスタッペン、7番手ペレスという順位だった。ペレスは現在、ルクレールとドライバーズランキング2位争いをしており、ペレスにとっては、自分が1ポイントでも多く獲得し、ルクレールの獲得ポイントを1点でも減らす必要があった。チームとしては、フェルスタッペンがルクレールの前に出るか、それができなければペレスの後ろにポジションを戻すことを望んでいた。「アロンソとルクレールからポイントを奪え」とチームから言われて、ペレスの前に出たフェルスタッペンだが、最終ラップに入ってもアロンソの後ろにとどまっていたため、チームから「チェコを前に出してくれ」と指示が入るが、フェルスタッペンは従わず。「いったいどうしたんだ?」と言うチームに対して、フェルスタッペンは「前回言ったはずだ。こういうことを僕に二度と頼むな。このことについてははっきりしたよね? 僕には理由がある。気持ちは変わらない」と答え、6位でフィニッシュした。
ペレスは憤りを示し、チームは彼に謝罪した。メキシコGP終了時にはルクレールに5点差をつけてランキング2位だったペレスは、ブラジルGP後には同点となり、優勝回数の差でランキング3位になってしまった。
フェルスタッペンは、ペレスに協力しなかった理由について、『BBC』に対して「過去に起きたことに関係がある」と述べているものの、詳しいことは明かしていない。一部報道では、今年のモナコGP予選でペレスがクラッシュし、それによって自分がポールポジションのチャンスを失ったことが原因ではないかとの推測もあるが、それについて聞かれたフェルスタッペンは「僕が何か言う必要はない」とのみ答えた。
■マックス・フェルスタッペン(オラクル・レッドブル・レーシング)
決勝=6位
3番グリッド/タイヤ:ソフト→ミディアム→ソフト→ソフト
昨日と同じく今日も僕たちにはペースがなかった。スライドばかりしていて、デグラデーションがひどく、アタックすることが困難だった。
ルイスとのインシデントで5秒ペナルティを科されたことは全く理解できない。とはいえ、そもそもペースがなかったから、レースに大きな影響はなかったけどね。
チェコと僕の間の問題については、チーム内で話し合いをして、チームとして前に進んだ。彼が助けを必要としていて、アブダビで助ける機会があるなら、僕はもちろんサポートするつもりだ。僕たちはドライバーズ選手権1位と2位を獲得するために戦っている。それを達成することを目指して頑張っていく。
(ペレスにポジションを返さなかった理由について語り)それについては最初にチームに説明した。なぜなのかについて話し合い、僕は理由を言った。それについて(外部の人たちに)話すつもりはない。でもチームは理解したと思う。前にも説明していることだから、彼らにとっても僕にとっても新しい話じゃないんだ。
(ハミルトンとの接触について語り)僕はアウト側から行ったんだが、彼には全くスペースを残す気がないことにすぐ気付いた。だから接触するだろうことは分かった。あれで彼は優勝を失った。僕の方は5秒のペナルティを受けた。でも僕については大きな影響はなかったと思う。そもそもすごく遅かったからね。それでも残念だよ。すごくいいレースができたはずなのに、(ハミルトンには)レースをする気がなかったのは明らかだ。