11月27日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで催されたHonda Racing THANKS DAY 2022のなかで、『Repsol Honda Team 藤波貴久監督 取材会』が行われ、藤波がFIMトライアル世界選手権の現役引退と監督業について語った。
藤波は1980年三重県生まれ。3歳からモトクロスを始め、自転車トライアルなども経験した後、1993年には13歳で全日本トライアル選手権に参戦し、1995年には最年少でタイトルを獲得した。
翌1996年からはFIMトライアル世界選手権に参戦し、1997年のドイツで史上最年少の17歳237日で初優勝。1998年はランキング5位となり、1999年から2003年まではランキング2位に。2004年に日本人初となるチャンピオンを獲得した。
その後も2017年まで21年連続でランキングトップ5入りという大記録を樹立した。しかし、2021年シーズン限りで現役を引退。2022年からは自身が所属していたレプソル・ホンダ・チームで監督を務めている。
まず会見のはじめに、26年間の選手生活について以下のように振り返った。
「第一に、1996年から世界参戦をホンダさんとともに戦うことができて、まさか僕のスケジュールのなかに26年長い間世界で戦うなんて思ってもみなかったんですけれども、26年目のシーズン、昨年ですけれど引退のシーズンでも優勝することもできて、僕にとっては悔いの残らないような感じでシーズンを終えることができたので、すごく満足で、たくさんの思い出はありますけど、今になっては2004年にホンダさんとともにチャンピオンを獲れたことが一番最高の思い出かなと思います」
これまでのベストレースだという2004年の日本GPは、「ランキング2位になっていて、チャンピオンをどうしても獲りたいという思いがすごく強くて、それでもなかなか獲れないシーズンでした。それでももてぎのラウンドで2004年に土日両日ともに優勝して世界チャンピオンになれたことがすごく思い出深いですね」と語った。
また、今季から務めている監督業は「おかげさまでトライアルで滞在していたチームでそのまま監督になることができたので、内容としては簡単だったと思いますが、ただスポンサーへの対応などはライダーの時になかったことなのですごく大変でしたが、チームが一丸となって、トニー・ボウがチャンピオン、新しく入ったガブリエル・マルセリもランキング5位を獲得しましたし、僕にとっても最高のシーズンだったのかなと思っています」と語り、笑顔で締めた。