もっと詳しく

 11月1日、日産自動車株式会社と日産モータースポーツ&カスタマイズ(NMC)は、アメリカのラスベガスで開催されているSEMAショーで、ニッサンZ GT4を公開するとともに、2023年の活動予定について発表した。また車両内部など細かなディテールも改めて公開されている。

 すでに市販車の販売がスタートしているほか、スーパーGT GT500クラスのベース車両として活躍しているニッサンZ。今季のスーパー耐久第2戦富士SUPER TEC 24時間レースからは、スーパー耐久機構が認めた車両が参加できるST-Qクラスを使い新たなレースカーの開発がスタートし、この車両がカスタマーレーシングカーであるZ GT4に改良されていった。

 9月27日にすでに写真が公開されているZ GT4だが、Zのメインマーケットとも言えるアメリカのラスベガスでスタートしたSEMAショーでは、装いも新たに公開された。これまでは白地にレッドのラインが入ったカラーリングのみだったが、今回はニッサン/ニスモのヘリテージとモダンさを融合した特別なカラーリングを採用した。

 ボンネットのデザインは70年代のレーシングカーのカラーリングを想起させるものとなり、ニッサンのエースナンバー『23』が昇る太陽をイメージした赤い円の中に配置される。また、ニッサンZ GT500と同様にリヤに向かってボディカラーがレッドからブラックに変化し、Zのロゴが配されている。

 このZ GT4について、NMCのニスモレーシング事業部は、日本やアメリカでのテストや実戦走行を重ね、プロからジェントルマンドライバーまで、幅広いレベルのドライバーに『Zらしいダイナミックでワクワクする走りをお楽しみいただけるよう』開発を進めてきたという。

 現在は公認取得予定となっているZ GT4は2023年がデビューイヤーとなる予定で、アメリカではSROピレリGT4アメリカ、日本ではスーパー耐久シリーズに参戦を予定する『パイロットカスタマーチーム』に車両を供給し、ニスモがサーキットでのテクニカルサポートを行うとしている。またその他にも、参戦を検討するチームや一般ユーザー向けには2023年半ばから受注を開始し、2024年シーズンから順次車両を供給する予定としている。噂ではスーパー耐久には2台が出場するとも言われている。

 日産自動車のスポーツカー担当グローバルプログラムダイレクターであるマイケル・カルカモは、「ニッサンZ GT4をレーシングドライバーやファンの皆さんにお披露目することができて、大変うれしく思う。先週もアメリカでテストを行い、23年シーズンに向けた準備を着々と進めている」と語った。

「今後も各チームと話し合いを続け、世界中のサーキットで『Z』が注目される存在になることを期待している」

 車両は出荷価格でオプション装備、スターターキットを含み22万9,000米ドル(3,320万円/1ドル=145円換算)となる。スペックは下記のとおりだ。

ニッサンZ GT4 主要諸元

全長:4,380mm(172.4インチ)
全幅:1,870mm(73.6インチ)
重量:1,410kg(3,108 lbs.)※
エンジン型式:VR30DDTT
総排気量:2,997cc
最高出力:330kW(450hp)※
最大トルク:600Nm(443 ft-lbs.)※
ホイール(前後):前:18インチ×10.5J 後:18インチ×11J
※SROが決定する性能調整による変動がある