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ゼブラゾーンだけじゃない!! 道路のあちこちにある「シマシマ」はどんな意味があるの?

 交差点の手前などでときどきみかけるシマシマ地帯。いわゆるゼブラゾーンと呼ばれる部分だが、あれにはいったいどんな意味があるのだろうか。あの上を走ることは問題ないのだろうか。

 さらに、道路に描かれたゼブラ柄を調べてみると、使う場所や用途によってさまざまなパターンがあることも分かってきた。そこで今回は、そういった路上のシマシマを整理して、どんな目的で使われているのかを解説しよう!

文/齊藤優太、写真/AdobeStock、ベストカーWeb編集部

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■そもそもゼブラゾーンとは何なのか?

走っていいの? ダメなの? 道路の「シマシマ」はゼブラゾーンだけじゃなかった!
一般的に「ゼブラゾーン」とは「導流帯」のことを指している場合が多いが、「立入り禁止部分」や「右左折の方法」などの道路標示もゼブラ柄だ(xiaosan@Adobe Stock)

 一般的に「ゼブラゾーン」と呼ばれている道路標示は「導流帯」のことを指している場合が多い。右折レーンや合流部分など、「車両の安全かつ円滑な走行を誘導する必要がある場所」に描かれるものだ。

 しかし、ひと言でゼブラゾーンと言っても、「導流帯」だけでなく、「立入り禁止部分」や「右左折の方法」の道路標示もゼブラ柄だ。ゼブラ柄の道路標示を分類してみると、以下の5つのタイプに分けられる。

・導流帯
・安全地帯または路上障害物に接近
・停止禁止部分
・立入り禁止部分
・右左折の方法

■ゼブラ柄の道路標示の意味や目的

走っていいの? ダメなの? 道路の「シマシマ」はゼブラゾーンだけじゃなかった!
ひと言でゼブラゾーンと言っても、前出の5つのタイプに分けられる。写真のゼブラゾーンは5つのうちのどれに当てはまるだろうか(poko42@Adobe Stock)

 これら5つのゼブラ柄について、それぞれ解説しよう。ここでは、警察庁が公表している「交通規制基準」を参考にそれぞれの意味や設置場所などを紹介する。

■その1:導流帯

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「導流帯」として使われるゼブラ柄(xiaosan@Adobe Stock)

 導流帯は、車両が安全で円滑に走行できるよう誘導するために設置されている。導流帯が設置されている場所は、渋滞や事故が発生する恐れがある道路、車線数が減少する場所や安全・円滑な走行を誘導する必要があると認められる道路などだ。

 また、中央線を挟むようにして導流帯を設置している場合もある。警察庁の資料によると、車道中央部に導流帯を設置する場合は、道路の中央を明確にするため道路標示「追越しのための右側部分はみ出し通行禁止」または「中央線」(実線のものに限る)を設置するとしている。

 導流帯は、円滑な走行を誘導するために設置されているため、ここを走行しても違反にはならない。しかし違反ではないからといって、ゼブラゾーンを走ることは推奨しない。

 たとえば右折レーンの手前に導流帯がある場合。導流帯の上を走って右折しようとすると、導流帯の形状にしたがって走行してきた車両と接触事故を起こす可能性がある。導流帯がある場所ではそれをまたがず、導流帯にしたがって走行するほうが安全だといえる。

■その2:安全地帯または路上障害物に接近

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写真は分離帯の手前にあたるため、「路上障害物に接近」のゼブラ柄がある(映彦 松葉@Adobe Stock)

 このゼブラ柄は、交通の安全を図るために、安全地帯(歩行者の安全確保などのために交通を規制している場所。クルマは進入してはいけない)、または路上の障害物に接近しつつあることを示すために設置されている。

 設置場所は、安全地帯の手前、分離帯の手前、Y字形の交差点の正面、路上に設置された橋脚の手前、車道の幅員が狭くなっているトンネル等の入口、その他路上の障害物の手前などにある。

 ちなみに安全地帯が設置されている場合は、安全地帯の道路標識が設置される。また、島状(路面電車のプラットフォームなどが好例)になっていない安全地帯の場合は、安全地帯の道路標識および道路標示(白と黄色の実線で安全地帯を囲む)の双方が設置される。

■その3:停止禁止部分

 四角い囲いと短い斜線で示される道路標示の「停止禁止部分」は、警察署・消防署の前などに設置されていることから、目にしたことがある方も多いだろう。

 この停止禁止部分は、信号待ちや渋滞しているときなど、前方の車両等の状況により標示部分で停止するおそれがあるときに入ってはならない。停止禁止部分に入って停止することはできないが、通過することはできる。

 設置場所は、原則として次のいずれかに該当する道路の部分となる。

・緊急自動車の出入口付近またはバスターミナルの出入口付近の道路で信号待ちの車列などにより、緊急自動車の出動等や路線バスの正常な運行に支障がある道路の部分
・バスの停留所付近における路線バスの円滑な運行を確保するために特に必要な部分
・交通整理の行われていない交差点で、滞留車両による交通障害のため、交差道路の安全で円滑な交通に著しい支障がある交差点内の部分
・滞留車両が踏切までおよぶため、踏切付近の安全空間を確保する必要があると認められる道路の部分

■その4:立入り禁止部分

 立入り禁止部分は、車両の立入りを禁止して、交通の安全と円滑を図るために設置される、黄色の実線で囲まれたゼブラ柄の道路標示だ。

 見通しの悪いカーブや道路の形状などにより車両の衝突等の危険性が高い場所、車線数が減少する場所、中央線が変移する場所、危険を防止するために交通の導流が必要な場所に設置される。

 立入り禁止部分は、特に危険だと認められる場所に設置される道路標示だ。そのため、立入り禁止部分がある場所を通行するときは、慎重に走行する必要があるといえるだろう。

■その5:右左折の方法

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道路の幅が広く、交差点の中心部等を指定する必要がある場合はゼブラ柄で示される(amanemark@Adobe Stock)

 交差点の中心部分にひし形や円形などの標示と矢印で示される右左折の方法を示す道路標示もゼブラ柄だ。

 交差点の右左折の方法を示す道路標示は、右折・左折するときの通行すべき部分を指定することで、交差点における交通の安全と円滑を図るために設置されている。

 設置されている場所は、原則として次のいずれかに該当する交差点となる。

・交差点の中心部等を指定する必要がある幅員が広い道路の交差点
・斜め交差または多岐交差等で交差点の中心部が分かりづらいため交通流に乱れのある交差点
・右折または左折をした後に通行すべき車両通行帯を示す必要がある交差点
※右左折の方法を示す道路標示はゼブラ柄の他に破線で示されているものもある。

 このように、ゼブラ柄の道路標示には導流帯の他にもさまざまな種類がある。同じゼブラ柄であっても標示方法や設置場所が異なると意味が変わるため、注意が必要だ。

■ゼブラ柄の描かれている目的を理解しよう

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ゼブラ柄の道路標示は、進入そのものを禁止したり、停止を禁止したりするものもある。なぜ設置されているのか、どのような目的があるのかを理解して走ろう(Naomi Seki@Adobe Stock)

 導流帯をはじめとするゼブラ柄の道路標示は、違反にならないものもあれば、進入そのものを禁止したり、停止を禁止したりするものなど、さまざまな種類がある。

 確かなこととして言えるのは、道路標示は設置されている目的があるということだ。なぜ設置されているのか、どのような目的があるのかを理解すれば、「違反ではないから走ってしまおう」と考えることもなくなるだろう。

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