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 個人ユーザー向けのボディコーティング剤が進化を遂げているという。業者に頼むと10万円というボディコーティングの世界にあって2000円ほどで、液剤をプッシュし拭き上げるだけでコーティングができてしまうというのだから凄い。

 40代以上の中年オヤジにとって、コーティングをしたいがお金がない。とはいえ、自分でコーティングすると疲れて次の日は何もできなくなって家族から非難轟々となるのは必至。

 そこで、「安い、簡単、疲れない」をキーワードに市販のボディコーティング剤を2つ選んでみた。1つはすでに各方面から高評価を得ているリンレイのガラス系コーティング剤、ウルトラハードWコーティング。

 そして、今、SNSなどでざわついでいる中華製のコーティング剤の魔π(パイ)を比較対象にテストしてみた。

文/ベストカーweb編集部
写真/ベストカーweb編集部

【画像ギャラリー】日本製「リンレイ・ウルトラハードWコーティング」対中国製「魔パイ」ボディコーティング対決どっちが勝ち?(7枚)画像ギャラリー


■施工後48時間以上置くことが説明書に書いてある魔パイから施工

中国製のボディコーティング剤、魔パイ。価格はAMAZONで2261円

 前々回の【やればできる中年オヤジのカーメンテ】にて、リンレイのウルトラハードクリーナーを試し、その威力に驚かされたが、じゃあコーティングもやってみるかと、ウルトラハードWコーティング(1680円)を選んでみた。

 そしてSNSでは個体差があり、ざわついている中国製のガラス系コーティング剤の魔パイ(2251円)と比べてみた。

普通はここまでこだわる必要なし

 と、その前に、クルマ好きの血がざわざわたぎって(?)しまい、なんと下地処理にコンパクトツールのダブルアクションの電動ポリッシャー(3万3000円)を買ってしまった(笑)。

 しかも3M製のクリーナー4種類(約9600円)も。これは今回のコーティングの話とは別になるので割愛させていただくが、イオンデポジットがバリバリについていたボディは、ウルトラハードクリーナーで落ちたのでそれはそれでよかったのだけれど、ちゃんとやっておきたいよねという、マニアックなクルマ好き心理がはたらいたのである。

 ……1時間後、ペットボトルの水を一気に飲み干すほどの疲労感があったが、ひと皮むけたサラッサラのボディに感激。さっそくフロントボンネットの中央にマスキングテープを貼って、右側半分にまず魔パイの施工を開始。

 この魔パイはZEPANというメーカーで、正式な品名は「魔π QUICK COATING カーケアスプレー」(500ml)。ボトルの説明書を見ると、成分は脱イオン水、乳化シリコンオイル、ポリビニルアルコール、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム。

 クルマのボディ、ホイール、ガラス、ミラーなどに使用できるとある。AMAZONの見出しにはガラスコーティング剤と書いてあったが、箱やボトルの説明書にはまったく書いてなかった。謎である。

 さっそく、説明書の通りに、洗車後、ある程度の水分を拭き、スプレーして拭き上げていく。セミウエット推奨で乾いたボディでも使用できるとも書いてある。

 ボンネット全体で10~15プッシュと書いてあるが、今回は右側半分なので5回スプレーし、付属のスポンジで塗り、マイクロファイバークロスでムラにならないように拭き上げていった。この液剤はよく伸びて塗りやすく、拭き上げも軽い力で済んだ。液剤は桃のような匂い。しっかり水に濡らさないように車庫に24時間放置。

リンレイのウルトラハードWコーティング。価格はAMAZONで1680円

 次の日、リンレイのウルトラハードWコーティングを施工開始。「別格の撥水力、ボディ4ヵ月、ガラス2ヵ月撥水効果持続」というラベルの見出しに「おお~買ってみるか」とその気にさせるが、ほんとのところどうなのか?

 成分はガラス系特殊成分、シリコーン系撥水材、シリコーンオイル、とあり弱酸性。ボディのほか、窓ガラス、ホイールにも施工可能だ。

 湿式施工、乾式施工だが、撥水力が高いのは乾式施工とのことで、さっそくボディが乾いた状態で、ボンネット左側半分に施工開始。

 スプレーする前に10回ほどボトルを振り、50㎝×50㎝四方で1回スプレー。魔パイは5回スプレーしたので、ウルトラハードWコーティングも5回スプレーした。

 塗りすぎるとムラやシミになるので注意が必要だ。もし、ムラやシミができてしまったら、固く絞った濡れたクロスで拭き上げていこう。

 使用したクロスは、DAISOで売っている3枚100円のマイクロファイバークロス。クルマ好きなら高いものを買いがち(1枚800円ほど)だが、パイルの長い吸収力が高いものはかえってよくないという。

 拭き上げ時はあまりゴシゴシ拭き上げるのではなく、あまり力をいれずに撫でるように仕上げるのがコツ。液剤はほどよい伸びで塗り、乾燥する前に塗り痕がなくなるまで拭き上げていく。

 ウルトラハードWコーティングの場合、「1時間以上乾燥させる。24時間以上水に濡らさないほうが効果的」と書いてあったので、24時間放置させた。

■さて、ウルトラハードWコーティング24時間後、魔パイ48時間後

かなりの超撥水力の魔パイ。水玉がおもしろいように落ちていく

 推奨の魔パイ施工後48時間、ウルトラハードWコーティング施工後24時間が経った。さっそく、シャワーをかけて、水はじきをチェック!

 ボンネットの窓側から3分の2はなだらかな局面、それ以降は斜面がきつくなっていく形状。左側のウルトラハードWコーティングにまずシャワーをかけてみた。すると、バリバリの超撥水! ノーズに近い急斜面では、水玉ができる暇もなく滝のように水が流れていく! マジか、1680円でこの効果は凄い!

 右側の魔パイも負けず劣らず、超撥水! 水玉がおもしろいように転がっていく。え、中華製だから半信半疑だったが、ちゃんとしてるじゃん! 

施工後24時間のウルトラハードWコーティング。おもしろいように水がはじいていく。超撥水!

 フロントボンネット表面をひと差し指で、撫でるように、感触の違いを試してが、ウルトラハードWコーティング、魔パイいずれもすべすべ。シャワーをかけた後のボンネットに残存した水玉の残り具合を見ると、若干、ウルトラハードWコーティングのほうが少なかったが、正直いって「大差なし!」

 個人的にはリンレイがおススメ。おそらく個体差が少ないだろうし、信頼性があるからだ。一方の魔パイは、個体差があるらしく、撥水効果がマチマチというSNSの評価もある。

左側がウルトラハードWコーティング(24時間放置後)、右が魔パイ(48時間放置後)。見た目に大きな大差はなかった

■洗車機5回かけても落ちないのか?

洗車機に5回かけてみた。水洗い1往復×5回

 コーティングの持続期間は、ウルトラハードWコーティングは、ボディ4ヵ月、魔パイはボディ3ヵ月となっているが、ウルトラハードWコーティングのボトルの説明書きには、「洗車機5回以上耐久」と書いてある。

5回洗車機にかけても見た目は少し落ちたかなという程度

 マジか! と思い、そうなれば試すほかあるまいと、洗車機に5回ぶち込んでみた。洗車方法はシャンプー洗車ではなく水洗い洗車を選んだ。ボンネット左側はウルトラハードWコーティング、右側は魔パイと、施工時と変わらず。

 じゃじゃーん、5回終了! ガソリンスタンドの方が開口一番「落ちてないっすね。コーティング落ちてると水がベターっと残っている感じですけど、しっかりはじいて水が残ってないっす」。

 自宅に戻り改めてシャワーをかけてみると、ウルトラハードWコーティング、魔パイいずれも、撥水効果は若干落ちているかな程度。しいて言えば施工直後が10とするならば、7~8くらいか。素晴らしい! こんな気持ちい感覚超久しぶり。

 ということで、今回はウルトラハードWコーティングと魔パイを試してみました。いかがだったでしょうか。施工の仕方で効果が変わってくる場合もありますが、参考になれば幸いです。

魔パイも5回洗車機にかけても少し落ちたかな程度だった

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