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 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、F1パワーユニット(PU)部門におけるホンダとの提携関係を2026年以降も続けていくために話し合いを行っているとコメントした。

 ホンダは2021年までレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリにパワーユニットの供給を行ってきたが、昨年末でF1活動を終了した。今年からはホンダ・レーシング(HRC)の技術支援を受けながら、レッドブル・パワートレインズが2チームにパワーユニットを供給するという形になっている。このコラボレーションは、現世代のパワーユニット時代が終わる2025年まで継続されることが決定済みだ。

 さらに、10月5日には、レッドブル・グループとホンダが、モータースポーツのさらなる発展を目指してパートナーシップをより強化していくことが発表され、2022年F1日本GP以降の2022年のレースにおいて、レッドブルとアルファタウリのマシンにHRCのロゴに加えて新たにホンダのロゴがあしらわれることも決定した。

日本GPよりレッドブルとアルファタウリの車両に『HONDA』のロゴが復活
日本GPよりレッドブルとアルファタウリの車両に『HONDA』のロゴが復活

 この発表に際し、レッドブルのヘルムート・マルコは、「両者の関係性が時間と共に強固になっていくことを誇らしく感じている」「このパートナーシップが今後もさらなる成功を収めていくと確信している」と述べていた。

 レッドブルは次世代パワーユニットが導入される2026年に向けてポルシェと提携する可能性について数カ月にわたり協議を続けた。正式発表を待つばかりかと思われたが、結局両者は合意に至ることなく、交渉が中止されたことが9月に発表された。

 その際、レッドブルF1チーム代表クリスチャン・ホーナーは、レッドブルは他の自動車メーカーに支配されるのではなく独立した形でF1活動を行っていくと強調、ただしレッドブルのDNAにフィットするような条件であれば、他社と提携する可能性はあると示唆していた。

 そして最近、ヘルムート・マルコは、2026年に向けてパワーユニットに関してホンダと新たな提携関係を結ぶべく、交渉を行っていると認めた。

「電気の部分では、我々にはまだすべての知識は備わっていない。だがその分野でも強くなるためのコネクションは持っている」とマルコはオーストリアの放送局『ORF』に対してコメントした。

「我々は独自に活動しており、独立してすべての活動を行うことができる。だがレッドブルの負担を減らすために、協力関係を結ぶことも前向きに考えている。今はホンダと話し合いを行っている。彼らはいずれにしても再びコラボレーションを形成することに関心を持っている」

「だが、(他社との提携は)レッドブルのDNAを損なわないものでなければならない。我々の極めて高い柔軟性、つまり素早く反応する能力を維持することが重要になる」

ヘルムート・マルコとクリスチャン・ホーナー(レッドブル)

 マルコは、レッドブル・パワートレインズの未来にポジティブな感触を持っている。

「ホンダが撤退を発表した時、我々には多くの選択肢はなかった。そのためフェラーリとも話をした。だが、フェラーリエンジンを積んだら、ファクトリーチームのマシンほど強くはなれないことは、容易に想像できる」

「我々は記録的な早さでファクトリーを立ち上げた。2026年の最初のエンジンは、テストベンチで動いている。300人のトップ・スペシャリストも雇った。その一部はメルセデスで働いていた者たちだ。最高の人材を探すのは当然のことだからね」