11月6日、マツダは岡山県の岡山国際サーキットで『MAZDA FAN FESTA 2022 IN OKAYAMA』を開催したが、このなかで行われたMAZDA SPIRIT RACING『「共に挑む」活動発表トークライブ』を行い、MAZDA SPIRIT RACINGチーム代表を務めるマツダの前田育男シニアフェローが、スーパー耐久に向けたニューウェポン『MAZDA3 Bio concept』をサプライズで公開した。
MAZDA FAN FESTA 2022 IN OKAYAMAは、『MAZDA SPIRIT RACING「共に始めよう」』をテーマに開催されたイベントで、マツダ車の走りの体感や、多彩なスピードスポーツの楽しさ、魅力に触れられるコンテンツが用意された。
9時から行われたイベントに続き、11月6日には『「共に挑む」活動発表トークライブ』と題し前田育男シニアフェローがマツダのモータースポーツ、耐久レース挑戦の歴史を披露したが、「マツダは先輩たちが築いた素晴らしい歴史があります」と1991年にル・マン24時間を日本車として初めて制したマツダ787Bについて語った。
「彼らに敬意を表したいと思いますし、それから30年が経ちました。アメリカ等では活動を行ってきましたが、その間何もしていなかった……と言えば語弊はありますが、彼らの意志を継ぎたいと立ち上げたのが『MAZDA SPIRIT RACING』です」と前田シニアフェローは説明した。
こうしてスタートしたのが、スーパー耐久のST-Qクラスにバイオディーゼル燃料で参戦するMAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept、そして第5戦もてぎからST-5クラスに参戦を開始したMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERの挑戦だ。MAZDA2 Bio conceptについては、参戦から一年経った第6戦岡山で、3秒のタイムアップを実現している。
そんな一年の活動を経て、前田シニアフェローは今後の活動について、イベントのテーマである『共に挑む』というテーマについて触れた。
「皆さんと一緒に挑戦したいということです。モータースポーツは楽しいので、未来永劫続けていきたい。そのためには、いろんなことを準備しなければいけません。四輪だけでなく、二輪でも『動くことを楽しむ人たち』と将来を作っていきたいと作ったスローガンです」
このテーマの紹介に続き、前田シニアフェローは「来季に向けて紹介があります」と、一台の車両をサプライズでアンベールした。登場したのは、今季スーパー耐久第1戦鈴鹿で、マツダの丸本明社長兼CEOが存在を明かしたMAZDA3 Bio conceptだ。イベント予定には入っておらず、まさに突然の公開となった。
「マツダ3のスーパー耐久のレーシングカーです。次期ウェポンであり、このクルマで戦っていきたいと思います」と前田シニアフェロー。ST-QクラスでのORC ROOKIE GR86 CNF Concept、Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptと戦うべく開発されたマシンで、前田シニアフェローも自らステアリングを握るという。
公開されたマツダ3・バイオコンセプトは、マツダ3の美しいフォルムを活かしつつ、ボリュームあるフェンダーを備え迫力満点。さらに、この日は前田シニアフェローがステアリングを握り、MAZDA2 Bio conceptやST-5のロードスター、デミオに混ざって走行まで行った。
この日はさらに、MAZDA SPIRIT RACINGとしてグラスルーツからのステップアップを促す『チャレンジプログラム』も発表した。すでに発表されている『MAZDA SPIRIT RACING GT CUP』というEスポーツから、パーティレース等を経てスーパー耐久を目指すピラミッドを構築するというものだ。
そしてマツダ3では、今回さらに、フォーミュラ・ドリフト・ジャパンに参戦するマッド・マイクが、チーム・TCDマジックとともに、FR化し、ツインターボの26Bロータリーエンジンを積んだマツダ3でパイクスピークに挑むすることが明らかにされた。
さまざまな取り組みを広げるMAZDA SPIRIT RACING、そして2種類のレーシングカーがお披露目されたマツダ3。前田シニアフェローは、スーパー耐久参戦のタイミングはまだ決まっていないとしているが、早期の登場を期待したいところだ。