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おっさんホイホイ! 20代には理解できない運転方法、忘れ去られた装備が懐かしい!

 過日、筆者はとある動画コンテンツの仕事として、20代の美女と某歴史的名車を眺めながら、彼女にその説明をしていた。

 だが20代美女氏は某歴史的名車にはさほどの興味を示さず、代わりに「こ、これは何ですか!?」と、トランクルームに括り付けられていた「6連奏CDチェンジャー」ばかりに爆発的な興味を示した。

 「これはCDチェンジャーというもので、運転席にあるボタンとかで操作すると、この中に入っている数枚のCDが適宜チェンジされながら、任意の曲を流すことができる装置である」と説明する筆者。

 しかし20代美女氏の顔には「そ、そんなモノがこの世にあったんですか?」「ていうかCDって懐かしすぎ!」というような文字列が書かれるばかりであった。激しいジェネレーションギャップを感じた瞬間である。

 筆者のような中年のおっさんにとっては、ついこの間まで現役だったようにも思える「CDチェンジャー」。

 それですらこの有様なのだから、さらに他にも「今どきの10代や20代に通じているつもりで、実はまったく通じていない運転方法や装備」があるはず。そのいくつかをリストアップしてみることにしよう。

文/伊達軍曹
写真/ベストカーweb編集部、Adobe Stock

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■20代のキミ、これわかりますか?→クラッチが2つ?【ダブルクラッチ】

日本国内で2019年に販売された新車に占めるAT車の割合は98%以上。ダブルクラッチどころかクラッチペダル自体が若者には珍しい(R_Yosha@Adobe Stock)

 中高年各位には今さら説明の必要はない、MT車のシフトチェンジを行う際に使われていたテクだ。

 正しくは「クラッチペダルを踏んでギアをニュートラルにする。そしてクラッチをつなぎ、ニュートラルのままアクセルを踏んでエンジン回転数を上げる。そしてもう一度クラッチペダルを踏んでギアを入れ、クラッチをつなぐ」というお作法である。

 要するに2回クラッチペダルを踏むから「ダブルクラッチ」というわけだ。

 この正調なお作法は、MTにシンクロメッシュが使われていなかったり、あるいはそれが弱かった時代のドライバーが行ったもの。シンクロメッシュが一般的になってからのドライバーは、クラッチペダルを1回だけ踏んで回転を合わせる「ブリッピング」で済ませていた人がほとんどであろう。筆者もそうだった。

 ……なんてことを20代の人に説明しても、手元のスマホを眺めながら「へ~そうなんですか」と空返事をされたり、「自分、AT限定免許なんでよくわかんないっす」と言われるのが関の山だ。

 また最近のMT車は勝手にブリッピングを行ってくれるので、中高年である私自身もブリッピングする機会を失くしている。

■20代のキミ、これわかりますか?→悪役の意味ですか?【ヒール&トゥ】

 ご存じのとおり、右足のトゥ(つま先)でブレーキペダルを踏みつつ、同じ右足のヒール(かかと)でアクセルペダルを煽って回転を合わせるという、伝統的構造のMT車でサーキット等を速く走るには必須のテク。

 昭和の男であれば一度ならずとも、その習得に情熱の炎を燃やした経験があるはずだが、街なかのAT車比率が(たぶん)97%を超え、F1やWRカーであってもクラッチペダルなど踏まない現代の世にあっては、ほぼ完全な死語となっている。

 なお中高年の一部も、この言葉の意味というか発音を間違えている場合が多いのでご注意願いたい。

 ヒール&トゥの「トゥ」の発音は、トシちゃんの『悲しみTOOヤング』の“トゥー”ではなく、トーホーシネマズとかの“トー”である。プロレスラーがリングシューズのつま先で相手を蹴る技(?)を「トーキック」と呼ぶが、意味と発音はあれと同じである。

■20代のキミ、これわかりますか?→黒板に書くアレ?【チョーク】

キャブレターは外部環境の影響を受けやすく、寒い冬場は燃料が薄くなる傾向にあるため、チョークを引いて燃料を濃くすることでエンジンが始動しやすくなる。ラジオの下、シガライターソケットの右横のスイッチがチョーク

 懐かしい話に寄り道しているとつい長くなってしまうので、以下は粛々と進めよう。

 「チョーク」。昭和の男たちには説明不要だろうが、キャブ車の混合気を濃くして、冷間時のエンジン始動性を高めるためのレバーというか装置である。始動後は当然ながらレバーを元の位置に戻さねばならなかったことも、説明不要であろう。

 しかしながら若い人にチョークと言っても、学校を卒業して間もない子の頭には「黒板に書くアレ」しか浮かばないだろうし、プロレスファンであれば「チョーク攻撃」だけを思い浮かべるはずだ。

■20代のキミ、これわかりますか?→バレーのテクニック?【神岡ターン】

 若い人にはまったくもって通じない自動車用語(?)の筆頭である。

 1980年代から90年代にかけて活躍したラリードライバーの神岡政夫さんが編み出したとされるテクで、要するにめちゃくちゃ深いドリフトアングルを作り、スピン寸前でバックギアに入れることで、自車の挙動を安定させるという伝説のドラテクだ。もっと知りたい方はググってください。

 まぁあくまでも“伝説”であるため、令和の若者がわざわざ知る必要はない用語だとも言える。

■20代のキミ、これわかりますか?→冬に手にバチっと来るヤツですね、どこに流すかは?【静電気逃し(アースベルト)】

リアのマフラーあたりから、地面に向かってチェーンやゴムベルトが伸びているクルマを見たことはないだろうか? 静電気放出用のアースベルトだ。装着率は激減したが、実は現在も新品の購入が可能

 これも「神岡ターン」並みに若者には通じまい。金属製のハーネスと1mぐらいのゴム製ストラップでできた帯のようなものをリアバンパーから垂らし、その先端を地面に触れさせながら走ることで「車体に帯電した静電気を地面に逃すことができる」というアイテムだった。

 しかし1980年代の半ば頃からは「アースベルトを付けている車」を見かける機会は急速に減り、今やほとんど見ることはない。

 廃れた理由は「このベルトがなくてもタイヤに含まれるカーボンブラックが、車体に帯電した静電気を地面に放電してくれているから」ということが周知徹底されたからだ。

 要するにアースベルトはその全盛期から、タイヤの構造材にまだスチールが使われていなかった時代の“遺物”だったのだ。

 とはいえ昨今は逆に、昭和レトロカルチャーを愛好する若衆がファッションアイテムとして、自分の車にダミー的なアースベルトを付けている場合もある模様。うーんマンダム、時代はめぐるわけですな。

■20代のキミ、これわかりますか?→こんなのつけて意味あるんですか?【水中花のシフトノブ】

水中花シフトノブという名称が浸透しているが、正式名称は「アクリルノブ」。2022年現在においても根強い人気を誇り、さまざまなデザインの水中花シフトノブが売られている

 これも流行りましたなぁ。1975年頃に発売され、その後は一部ドライバーの間でスマッシュヒットした「縦長のアクリル製シフトノブの中に水中花が仕込まれている」というタイプの交換用シフトノブだ。1979年に大ヒットした松坂慶子さんの『愛の水中花』も、このシフトノブのヒットに貢献したのかもしれない。

 これの“元祖”を作っていたメーカーさんは、もう水中花シフトノブの生産と販売をやめているようだが、一部の他メーカーはまだ作っている模様。またネットオークションには「当時物」の水中花シフトノブが出品されていたりもする。

■20代のキミ、これわかりますか?→千羽鶴? 前よく見えないでしょ【フラワーレイ】

ハワイを感じさせるフラワーレイ。当時、ハンドルやシフトノブ、CDチェンジャー付きのカーオーディオに変えるのが定番だった

 よく覚えていないのだが、あれは1980年代だっただろうか? 「ルームミラーから何かしらを吊り下げる」というムーブメントが、サーファーか、陸サーファーか、今でいうマイルドヤンキーっぽい人々の間で流行していた。

 なぜかハワイ調のフラワーレイだったり、ヤシの木の形をした芳香剤などがぶら下がっていて、ダッシュボードの上にちゃちなヤシの木のオブジェを置いたり、大量のぬいぐるみを置いていたドライバーもいた。

 最近の若い人はマジメなので、「……そういったモノは運転の妨げとなるから危ないですね」とクールに思うはず。そのため、これに関してはもうブーム再燃はないだろう。ただ北関東あたりに行くと、今なお一部で見かけるような気はする。

■20代のキミ、これわかりますか?→おっさんくさいカバー?【レースのシートカバー】

エレガントな柄が特徴のエンブロイダリーレースを使用。気品あふれるデザインで、ラグジュアリーな室内空間を演出。クラウンクロスオーバー用ハーフシートカバー(ラグジュアリータイプ)。価格は1台分5万2800円

 課長と課長補佐が居酒屋で「昔、親が新車買うとなぜか必ず付けてたよな、レースのシートカバー!」「そうそう! いや懐かしいですなぁ!」なんて話で盛り上がっていても、隣で聞いている入社2年目の森島翔太くん(仮名・24歳)は、ただポカーンとするばかりであろう。

 とはいえメーカー純正オプションとしての「レースのシートカバー」はまだまだごく一部での需要があるようで、メーカーのアクセサリーカタログにはしっかり記載されている。

 例えばトヨタの場合、高齢者に人気のカローラ アクシオに、車名ロゴ刺しゅう入りのレース製「ハーフシートカバー(税込み1万3200円)」が用意されているだけでなく、比較的若い世代に人気のカローラ ツーリングにも、車名ロゴ刺しゅう入りのレース製ハーフシートカバーは用意されている。

 そしてなんと、やたらとスタイリッシュになった新型クラウンクロスオーバーにも、レースのハーフシートカバーは用意されている!

 1台分で税込み5万2800円となる新型クラウン用ハーフシートカバー(ラグジュアリータイプ)を付けている新型クラウンを今後もしも見かけたら、筆者はありがたさのあまり、手を合わせて拝んでしまうかもしれない。なーむー。

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