WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦するアルピーヌ・エルフ・チームのドライバー、ニコラ・ラピエールは、トヨタGAZOO Racingとのタイトルをかけた最終決戦となる2022年第6戦バーレーン8時間レースに向けて「戦う準備はできている」と語っている。
36号車アルピーヌA480・ギブソンをドライブするラピエールとアンドレ・ネグラオ、マシュー・バキシビエールの3人は、セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮からなるトヨタ8号車と同ポイントで並び、11月12日に決勝が行われるシーズン最終戦へと臨む。
この対決には、WECがシーズンを通してバランスを図ってきた、2種類のレギュレーションのクルマが絡んでいる。
アルピーヌA480はLMP1規定のマシンであり、LMP1終了以降も2シーズンにわたって新規則の適用が特別に免除されてきた。一方、2021年にデビューしたトヨタGR010ハイブリッドは、新たなル・マン・ハイパーカー(LMH)規則に基づき作られている。
元トヨタドライバーでもあるラピエールは、バーレーン・インターナショナル・サーキットがよりパワフルだが重いLMHマシンに向いていることを考えると、最終決戦においてアルピーヌが有利だとは感じていないようだ。
だが、シグナテックがオペレートするアルピーヌは、過去3年のドライバーズタイトルを獲得しているトヨタを倒すために「準備万端である」とラピエール語った。
「僕たちにとっても、チャンピオンシップにとっても素晴らしいことだ。僕らは興奮しているよ」とラピエール。
「これは世界選手権だから、タイトルはとても特別なものになる。このために戦う準備はできているし、準備も万端だ」
「このコースは、僕らにとってはベストなコースではない。富士では、彼らより少し遅かった」
「でも、何が起こるかわからない。8時間のレースでは、どんなチャンスも逃さないように準備しなければならない。直線の速さを考えると、僕らにとってこのサーキットは好ましくない」
アルピーヌは前戦の富士で29kWのパワーダウンを受けた後、バーレーン大会のBoP(性能調整)では4kWのパワーアップを受けている。
A480にとってのデビューシーズンだった昨年は、ラピエールが「非常にフラストレーションのたまるシーズンだった」と語るように苦戦を強いられただけに、今季のタイトル獲得への期待は大きい。
しかし、ラピエールは今季、大きな一歩を踏み出したと感じているという。
「チームがより成熟し、より高いレベルで仕事ができるようになったのは素晴らしいことだ。今年は戦略的に非常に強力な一年だった。内側から見ていても素晴らしかった。今年はこれまでで最高の年であり、この位置にいることに満足している」
「ミスのないシーズンだったし、スパやセブリングなどでは非常に強いレースができた。ル・マンではあまりうまくいかなかったが、それでもポイントを獲得できた」
「たとえ優勝候補でなくても、この位置にいるのは素晴らしいことだ。レースでは、何が起こるかわからない。だから、どんなチャンスでもものにする準備はできている」