現在WEC世界耐久選手権のLMP2クラスに参戦し、2023年からはレンタカー会社『ハーツ』の支援を得て、ポルシェ963でハイパーカークラスへとステップアップするJOTAは、来季もLMP2クラスへの参戦を継続することを明らかにした。将来的にトップカテゴリーで2台のカスタマー車両を走らせる可能性がある。
チームの共同オーナーであるデビッド・クラークは、バーレーンで開催されている2022年WEC最終戦の場において、来年ハイパーカーにステップアップするとしても、同時に1台のオレカ07・ギブソン1台でLMP2クラスに留まると語った。
クラークによると、2台目のポルシェ963を手に入れることができれば、最終的にはLMP2での活動を完全に終了させたいと考えているという。だが、カスタマー向けのポルシェ963の第2陣の供給は、2025年まで待たなければならない可能性もあるものと理解されている。
「ポルシェを走らせ、1年間はLMP2マシンを走らせ、その後2024年か2025年にポルシェ2台でのエントリーができればいい」とクラークは語っている。
来季、チームがLMP2マシンを走らせるのはポルシェの2台体制に備えるためだとクラークは説明し、このクラスから手を引けば「ひとつの時代の終わり」になると付け加えた。
JOTAは、ル・マン24時間レースで3度のクラス優勝を果たすなど、過去10年間LMP2クラスのトップランナーとして活躍し、今週末のバーレーン8時間レースに向けては、現在クラスランキングで首位に立っている。
クラークは、チームは28号車をLMP2で走らせ、38号車をハイパーカーに昇格させることを示唆した。
「LMP2(エントリー)は同じガレージに入るけど、完全に別物になる」と彼は付け加える。
「そうしないと問題になるし、LMDh側では一定の人数しか認められないんだ。だから、同じガレージの中で別チームになる」。クラークは、ポルシェ関係者の数は来年、制限されるだろうと述べている。
■ポルシェLMDhのテストには「毎回参加している」
現在進行しているポルシェのLMDhテストセッションに頻繁に参加しているため、チームはすぐにマシンを使いこなすことができると彼は考えている。
「(シャシーパートナーの)マルチマチックがカスタマーサイドを運営することになるんだ」とクラークは言う。
「(自分たちの)クルマを手に入れる頃にはかなりスピードを上げていると思うが、実際に走らせることに勝るものはない」
「我々は、すべてのテストに参加している。すべてのポルシェのテストに立ち会っているんだ。だから、徐々に本腰が入ってきているよ」
「チャンスは自分たちで作ったもので、誰も与えてはくれなかった。だから、今あるチャンスは自分たちで作ったものだと思うし、100パーセントの力を尽くさなければならない」
「その場にいなければ、情報も得られないし、物事も見えないし、何も拾えない」
「だから、ポルシェのテストには毎回参加することにしているし、彼らもまた、とても歓迎してくれている。彼らについては、いいことしか言えないよ」
一方、JOTAのGTレースにおける将来は未定である。
近年はマクラーレン720S GT3一台で、ファなテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSに参戦している。
クラークは、JOTAがGT3への挑戦を続けるのであれば、マクラーレンと手を組むことになるだろうと述べ、ハイパーカークラスのプログラムを犠牲にしないことが重要であると強調した。
「背伸びをするのはとても簡単だ」とクラーク。
「ポルシェを走らせるという頂点を極めたわけで、それを邪魔するものは何もないと思っている。だから、GTレースについてはまだ何も決めていないんだ」