2023年シーズンのIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ・パワード・バイ・ピレリの序盤2戦は、GT3マシンの新車やアップデートキットの投入が認められないことが分かった。シリーズを統括するSROモータースポーツ・グループは、この2戦において現行のBoP(性能調整)テーブルを適用するという。
SROの創設者兼CEOであるステファン・ラテルは、フェラーリ296 GT3と新型ポルシェ911 GT3 R、そしてランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2が、リキモリー・バサースト12時間レースとキャラミ9時間レースのいずれにも参加する資格がないことを認めた。
全5戦で争われる2023年のIGTCの開幕2戦は、オーストラリアのバサースト戦が2月3日~5日、南アフリカのキャラミ戦が2月23日~25日に予定されている。ポール・リカールにおける恒例のBoPテストは3月上旬となる予定だ。
「バサーストとキャラミは2022年スペックで走る。その後、(次の世代に)ジャンプしていく」とラテルは説明する。
「『なぜ、IMSAは(1月の)デイトナで(新型GT3をレースさせる)準備が整うのに、あなたたちはできないのか』と言う人がいるのは分かっている」
「だが、IMSAは自分たちで風洞やエンジンベンチなど、(BoPの準備を)すべてをやっている。我々はFIA GT3車両を使用し、ホモロゲーションもすべてFIAが行っている」
「FIAがそれを行い、我々が独自の分析やベンチマークができるようなデータを得なければならない。1月に間に合わせることは不可能だ」
BoPテストを2月に行うというこれまでの試みは天候の関係でうまくいかなかったが、GT3メーカーとFIAが乗り気であれば、ホモロゲーションとカレンダーを見直す可能性はある、とラテルは語っている。
「2月の(BoP)テストは何度かやったことがあるんだ。3回とも難しいものだった」とラテル。
「一度はずっと雨が降っていた。一度は雪が降って、クロード(・スルモン/SROテクニカルディレクター)が 『これは続けられない、3月にやる必要がある』と言ったんだ」
「仕組みを完全に変えるためには、夏までにすべてのマシンがホモロゲーションを取得し、FIAがすべての作業を行って9月、10月までにデータを取得する必要がある。それができれば、BoPテストは11月頃になるかもしれない。だが、マニュファクチャラーはそんなに早く準備ができないのだ」