F1ブラジルGP土曜スプリントにおいて、複数のドライバーがレギュレーション違反の疑いありとして、調査対象になった。スプリントを3番手でフィニッシュしたルイス・ハミルトン(メルセデス)もそのひとりだったが、調査の結果、処分なしとの裁定が下り、日曜決勝を2番グリッドからスタートできることとなった。また、出場停止の危機にあるピエール・ガスリー(アルファタウリ)は、違反を犯したものの警告を受けるにとどまり、ペナルティポイントの加算はなかった。一方、チームメイトのエステバン・オコンとの接触において、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)には5秒のタイムペナルティが科された。
■ハミルトン、リカルド、周冠宇は、グリッドボックスの小ささが原因で調査を受ける
ハミルトン、ダニエル・リカルド(マクラーレン)、周冠宇(アルファロメオ)は、スタート手順における違反があった可能性があるとして、スプリント後に調査が行われた。その結果、スチュワードは処分を科さないことを決めた。
これについてスチュワードは以下のように説明した。
「スチュワードは、FIA国際競技規則第8条6.1.a)に違反し、複数の車両がグリッドボックスの左側または右側にはみ出していた可能性があると判断し、スタートシーンを見直した」
「利用可能なすべてのアングルの映像を確認し、グリッド上で計測を行った結果、スチュワードは、グリッドボックスが通常よりわずかに小さく、ドライバーの視界によって遵守が極めて困難であり、どのドライバーも優位に立てるポジションではなかったと考えた。従って、スチュワードはこれ以上の措置を講じない」
ハミルトンはスプリントを3番手でフィニッシュ、カルロス・サインツ(フェラーリ)のエンジンペナルティにより、決勝を2番グリッドからスタートする。
■ガスリーがレコノサンスラップ時の違反
ガスリーは、スタート前のレコノサンスラップにおいて不必要に低速に走った疑いで調査を受けた。その結果、スチュワードは、グリッドのSCライン1のすぐ後に人がいたという事実を考慮し、ガスリーへの措置は警告とした。ペナルティポイントの加算はなかった。
ガスリーのペナルティポイントは、12カ月間で合計10点に達している。ペナルティポイントが12カ月間で12ポイントに達すると、自動的に1戦出場停止になるため、ガスリーは現在非常に厳しい状況にある。
■アルピーヌの同士討ちではアロンソに非があるとの裁定
アロンソに関しては、ピットストレートでのオコンとの接触に関し、5秒のタイムペナルティおよびペナルティポイント2が科された。
オープニングラップのターン4でアロンソがオコンに並びかけた際に両者は接触。その後、ピットストレートでも接触が起きた。2回目のインシデントでアロンソはフロントウイングを壊して、ピットストップを行わなければならず、大きくポジションを落とした。
「アロンソはターン15で31号車への追い越しを開始。オコンはターン4でのエアロダメージにより極めて低速だったとチームは述べている。だが、スチュワードは、テレメトリーから、オコンはサーキットの同じポイントでトウを得ていない他車と同等のスピードで走っていたと判断した。アロンソはトウを得ていたことで大幅に速かった。彼は自身で認めたように、スリップストリームから抜け出すタイミングにおいてわずかに判断ミスがあり、オコンに背後からぶつかり、彼のフロントウイングがオコンのリヤタイヤに接触した。この接触についての責任は全面的にアロンソにあると、スチュワードは判断した。当時のスピードとコース上の位置では、この接触は危険だった」
アロンソはいったん最後尾に落ちながら、16番手でフィニッシュ、ランス・ストロール(アストンマーティン)のペナルティで15番手の結果を得ていたものの、最終結果では18番手に降格された。
■ベッテルを押し出したストロールは「危険な行為」でペナルティ
なお、ストロールは、スプリント中にチームメイトのセバスチャン・ベッテルをコース外に押し出したことで、10秒のタイムペナルティとペナルティポイント3を科された。
「ストロールがドライブする18号車は、ターン3の後、故意に左により、5号車を危険なやり方でコース外に押し出した」とスチュワードは述べている。