ダニエル・リカルドが今シーズン末でF1から去るのは、達成不可能な要求やチャンスの欠如のせいではなく、「運が悪い」からだとマネージャーを務めるニック・ティムは主張している。
今年8月にリカルドとマクラーレンは、契約の終わりを1年前倒しすることで双方が合意した。8度のグランプリ優勝経験を持つリカルドが、2年の在籍期間にチームの期待に応えられなかったために下された決定だという。
リカルドは序盤からマクラーレンで苦戦していた。才能あるチームメイトのランド・ノリスと同等のパフォーマンスを発揮することはめったになく、マシンを理解するのに常に格闘していた。
2022年にはF1のレギュレーション変更と、マクラーレンの新型マシンが投入されることで、物事が好転する希望がもたらされた。しかしマクラーレンがリカルドのために絶え間ない努力をしたものの、彼のパフォーマンスとチームの実績への貢献は、標準に達しないままだった。
今年の夏の決別により、リカルドはフリーエージェントとなった。来シーズンF1でレースをする妥当なチャンスがない状況で、リカルドはF1を一休みするものとみられている。先週末、リカルドのエージェントはツイッターのコメントで彼の苦境についてコメントしたが、一見したところ、過去2シーズンにおける芳しくない成績について彼の責任はないと言っているように見えた。
「エゴや達成不可能な要求、また、機会の突然の欠如といったことではない」とニック・ティムはツイートした。
「これは運が悪い男の話だが、今では彼は次の適切なチャンスを見つけている。彼独自のスキルを活かせる、あるチームとの新しいプロジェクトを見出しているところだ」
「ダニエルの成熟度と経験に適う者は、今やグリッド上にほとんどいない」
「ハニーバッジャー(リカルドの愛称)は2023年もできる限りF1グリッドに近いところにいるだろう。彼はまだ終わっていない。それにこのシーズンで目にしたように、何が起きてもおかしくはない」
だが、特にマクラーレンが、リカルドだけでなくチーム自信の利益のためにもドライバーのパフォーマンスを改善しようと尽力したことを鑑みると、ティムが「運が悪かった」と言っているのは何のことなのか不明だ。
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは、「結局のところ、我々の方で多くの努力をもって専心して力を尽くし、彼の方でも全力で取り組みはしたが、それでもともにやっていけなかったことを我々は双方で受け入れなければならない」と最近語っている。