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 10月14~15日にスペイン・バルセロナで2022年のタイトル決定戦を控えるTCRヨーロッパ・シリーズが、来季2023年に向けた全7戦のスケジュールを発表。今季の併催戦で軸となったDTMドイツ・ツーリングカー選手権との協力体制を解消し、新たにインターナショナルGTオープン選手権を中心にサポートする構成へと回帰した。結果、ドイツ国内のニュルブルクリンクやノリスリンク市街地戦が消滅し、2019年以来となるハンガロリンクや、レッドブルリンクの復活が予定されている。

 2018年のシリーズ創設以降、前出のGT OpenやWTCR世界ツーリングカー・カップとの日程共有でイベントを開催してきたTCRヨーロッパだが、昨季はそのパートナーをファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)にシフトし、今季2022年はDTMと2戦を併催するなど、相対的にドイツでの存在感を増すカレンダー構成となっていた。

 しかし2023年に向けては全7戦のスケジュールは継続しつつ、新シーズンは4月末のアルガルベ(ポルトガル)で開幕を迎え、ベルギーのスパ・フランコルシャンやイタリア・モンツァ、スペインはバルセロナなど、FIAグレード1レーティングを持つ会場を巡回する構成とされた。

 そのベルギー伝統のトラックは今季の6月から5月下旬に移動し、こちらもおなじみ南仏ポール・リカールは5月から7月へと移され、過酷な真夏のイベントに変貌する。そしてこれらの2箇所の国際トラックの間には、2019年にTCRヨーロッパが訪れたハンガロリンク(ハンガリー)への再訪が予定される。

 同じく9月8~10日に開催予定のレッドブルリンク(オーストリア)も2019年以来のカレンダー復帰となるが、イベント契約が締結されるまでその日付は暫定扱いに。そしてシーズン終盤は今季同様、イタリア伝統の高速トラック、モンツァを経てスペイン・カタルーニャ地方を代表するF1トラックでフィナーレを迎える。

「我々は皆、2023年にTCRヨーロッパでふたたび素晴らしい旅を迎えることを楽しみにしている。この段階でカレンダーをリリースすることは、既存のチームと新たに参加を検討するチームが確固たる計画を立て始めることができる、時間的な猶予が設けられることを意味するからね」と語るのは、TCRヨーロッパのシリーズプロモーターを務めるパウロ・フェレイラ。

「我々は過去数シーズンの蓄積を経て、ヨーロッパで最も象徴的なレーシングコースのいくつかを訪れる、素晴らしいカレンダーを提供するカテゴリーとして周知されるようになった。また、来季導入する予定のテクノロジー(共通ハイブリッド機構)については、今後さらにいくつかのニュースが発表される予定だ」と続けたフェレイラ。

「このHTCR導入を契機に、TCRでの競争は新時代に突入すると考えている。そのため、2023年のTCRヨーロッパにエントリーを検討するチームとドライバーには、今後の詳細について『目を開いて刮目する』よう切に願っている」

2022年シーズンのポイントリーダーを守り続けるフランコ・ジロラミ(Comtoyou PSS Team Audi Sport/アウディRS3 LMS 2)
WTCRや24時間耐久、ETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップなどとも併催されたニュル戦も姿を消すことに

■チャンピオン候補フランコ・ジロラミが来季のカレンダーを賞賛

 双方の日程や今後の承認作業も含め、カレンダーはまだ暫定的な状況ながら、来季TCRヨーロッパとWTCRの日程重複は避けられる公算で、双方へのチャレンジを計画するチームやドライバーにとっては、参戦プログラムが組みやすいシーズンとなる。

 それでもマイクとミシェルのハルダー兄妹など、TCRドイツやデンマーク、イタリアなど各国選手権とも並行参戦するドライバーからは「そうした国内選手権との日程重複」に懸念の声も挙がるなか、今季最終戦を残しわずか7点獲得で王座が決まる状況に持ち込んだフランコ・ジロラミ(コムトゥユーPSS・チーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)は、WTCR昇格への野望も口にしつつ、来季カレンダーを賞賛するコメントを残した。

「今季もスパ、ポール・リカール、バルセロナと非常に多くの伝説的なサーキットが含まれていて、本当にスゴいカレンダーだった。ドライバーにとって非常に挑戦的だし、このレベルと格式の開催地を維持するのはとても良いことだ」と語ったジロラミ兄弟の次男坊。

「レッドブルリンクはもちろん知らないサーキットだけど、TCRカーにとっても素晴らしいトラックになりそうだ。来季のWTCRとTCRヨーロッパを組み合わせることは、僕にとっても得難い挑戦になる。兄(ネストール)と同じWTCRの舞台に参加できれば、夢がかなったような気分だろうね」と続けたフランコ。

「僕は今から約15カ月前に、何も持たずにここヨーロッパに到着し、今ではチャンピオンシップをリードしてタイトルまであと少しだ。だから、僕にとってWTCR昇格は夢の実現になる。僕は今、そのために努力しているんだ」

 そのジロラミが所属するコムトゥユー・レーシングは、トム・コロネルやヴィクトール・ダビドフスキーらレギュラー陣に加え、最終戦バルセロナでフレデリック・バービシュの起用をアナウンス。

 昨季WTCRでランキング2位を記録したベルギー出身ドライバーだが、2022年はGT系カテゴリーを主戦場に活動し、伝統のニュルブルクリンク24時間ではアウディスポーツ・チーム・フェニックスから参戦し、見事に耐久戦制覇を飾るなど実績を重ねてきた。

 これにより、その他のワイルドカード枠エントリーを含め、TCRヨーロッパのシーズンフィナーレには総勢23台のエントリーが見込まれている。

■TCRヨーロッパ・シリーズ 2023年カレンダー

Round Date Country/Circuit
Rd.1 4月28~30日 ポルトガル/アルガルベ
Rd.2 5月26~28日 ベルギー/スパ・フランコルシャン
Rd.3 6月16~18日 ハンガリー/ハンガロリンク
Rd.4 7月21~23日 フランス/ポール・リカール
Rd.5 9月8~10日 オーストリア/レッドブルリンク*
Rd.6 9月22~24日 イタリア/モンツァ
Rd.7 10月20~22日 スペイン/カタロニア

※カレンダー承認待ち

「このレベルと格式の開催地を維持するのはとても良いことだ」と語ったフランコ・ジロラミ
Comtoyou Racingは、最終戦バルセロナでフレデリック・バービッシュの起用をアナウンスした