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 レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ポルシェとの交渉決裂について語り、提携はレッドブルの強みである独立性を薄めることになり、正しい道ではなかったと語った。また、ポルシェがレッドブルのF1部門の50パーセントを取得するというプランが記された書類が公的機関に提出されたことについては、ポルシェが先走ったものであり、一切合意はなされていなかったと述べている。

 ポルシェは2026年に向けてレッドブルとパートナーシップを結ぶために協議してきたが、交渉が決裂したことを9月9日に発表した。


 ホーナーはイタリアGPの週末にメディアに対して、「交渉は1週間ほど前に終わっていた。ポルシェは偉大なブランドであり、偉大な企業だ。彼らの今後の成功を祈る。だが、レッドブルの方向性は明確だ」と語った。

 ポルシェが公的機関に提出した書類から、レッドブルとの提携プランの内容が明らかになっていた。しかしホーナーは両者は明確な合意には達してはいなかったと述べている。

「話し合いは話し合いでしかなかった。署名や合意は一切なかったのだ。話し合いがどういうものだったのか、あるいは何を引き起こしていたのかについて、詳細を明かすつもりはない。だが、我々のチームの強みのひとつは、明らかに独立性にある。それこそが、チャレンジャーとして、あるいは独自路線を行く存在としての、レッドブルの美徳と価値観のすべてを植え付けるものなのだ。我々をこのスポーツでの今日の成功へと導いた核となる特性のひとつだ」

「それを弱めたり、希薄にするようなことは、いかなる形であれ、望まない。それこそが、我々がパワーユニットという挑戦にどのようにして立ち向かうかについての基本原則なのだ」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2022年F1第16戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 ポルシェがすでに当局に書類を提出していたことについて、ホーナーは、「大企業は大規模な計画を立てる必要があり、少し先走ったのだろう。繰り返しになるが、両者の間で拘束力のある約束が交わされていたわけではない」と強調している。

 レッドブルのF1部門を担うレッドブル・テクノロジーの50パーセントをポルシェが取得することで大筋で合意していたとの見方を、ホーナーは否定し、その方向性はレッドブル側にとってメリットはないとの結論に達していたと述べた。

「関心の表明があったため、株主がそれを検討した。そして、レッドブル・レーシング、あるいはレッドブル・テクノロジー、レッドブル・パワートレインズにとって正しいことではないと判断した」

「我々の強みは、独立性、迅速な意思決定ができること、そして官僚的でないところだ。基本的にレーシングチームであり、そのために迅速な意思決定、効率的な判断、すばやい反応が可能だ。マニュファクチャラーが意思決定において自立性に乏しい場面を何度も見てきた」

 レッドブルはミルトン・キーンズのファクトリー内に自身のパワーユニット部門であるレッドブル・パワートレインズを設立、すでに300人を超えるスタッフが2026年以降の次世代パワーユニットの開発のための作業に取り組んでいる。

レッドブル・レーシングのファクトリー
レッドブル・レーシングのファクトリー

「ホンダがF1から退いた後、我々はこの旅に乗り出した。その一部はホモロゲーションを受けたエンジンで今の期間の最後までを戦うことを可能にすることだった。さらにミルトン・キーンズに施設を作り、F1界でもトップクラスの人材を採用した。今では最先端の施設で300人以上の従業員が働いている」とホーナー。

「2026年用のV6エンジンの最初のプロトタイプを、サマーブレイク前に動かした。エンジンとシャシーを同じ会社において扱い、シャシーエンジニアとデザイナーの傍にエンジン担当エンジニアとデザイナーを置くという我々の戦略は、全く変わっていない」

「従って、投資家や自動車メーカーの関与に依存することは、いかなる場合でもなかった。我々はそういったものの寄与を受けることなく、ここまで来た」

「今、我々の焦点は2026年と未来にしっかり定められている。レッドブル・レーシングが新しい章を迎えることを楽しみにしている」