フェラーリは、2022年型マシン『F1-75』の開発を中止せざるを得なかったのは、2023年型マシンに開発を切り替えるためではなく、単に資金が尽きたからだと明らかにした。
フェラーリの2022年型マシンは、当初はライバルのレッドブルよりも優れており、シーズン序盤ではリードを保っていた。しかしいくつかの戦略上の失敗やミスが、フェラーリの成績に影響を及ぼした。
だが夏が過ぎ、シーズンが展開していくうちに、フェラーリは支出額が制限の1億4000万ドル(約202億円)に近づいたため、開発プログラムをレッドブルよりもはるかに早く縮小することを余儀なくされた。
「これは選択したことではない。我々は単に制限内の予算を使い終わったのだ」とフェラーリF1のチーム代表であるマッティア・ビノットは、先週末にサンパウロで説明した。
「我々は予算制限に達したので、マシン開発の機会はもうない。今の状態で続けていく」
ビノットは、チームが資金の枯渇により特に新パーツの開発生産を中止したからといって、来年のマシンの研究を縮小したわけではないと明らかにした。
「もちろん来年のマシン開発を妥協してはいない」とビノットは語った。
「だが現在のマシンについては開発を中止することを決めた。なぜなら現行マシンの通常の開発に加え、コースに持ち込むパーツの生産が必要になるからだ」
「そうするには支出することができない余分のコストがかかる」
フェラーリのアップデート不足は、レッドブルやメルセデスと比較すると、2022年シーズン後半のパフォーマンスに必然的に影響を及ぼした。メルセデスのパフォーマンスはこの数戦で上昇傾向にある。メルセデスのブラジルでの強さと、ジョージ・ラッセルの優勝は、ビノットにとって驚きではなかった。
「驚くことはなかった。彼らはブラジルで速かったと思う」
「予想外ではない。この数戦を見てみれば、彼らは異なるタイヤ選択をしていたら、すでにレースで優勝していたかもしれない。彼らが勝てなかったのは、単にタイヤ選択が適切ではなかったからだと考えている」
「直近の数戦では彼らのマシンは最速だったので、ブラジルに来ても驚くことはなかった。彼らはオースティンで新たな空力パッケージを投入した。それはうまく機能したし、彼らはそれを活かしていると思う」