9月16日、WEC世界耐久選手権は、最終戦バーレーンの翌日に行われるルーキーテストにシリーズの指名を受けて参加する選抜メンバーを発表した。
LMP2ドライバーのリロウ・ワドゥはそのひとりであり、彼女は今季のチャンピオンシップを制したハイパーカークラスのマシンを、バーレーン・インターナショナル・サーキットでドライブする予定だ。恒例のルーキーテストは8時間レースの決勝翌日、11月13日(日)に開催される。
ワドゥと同時にWECから指名を受けたロレンツォ・コロンボ、ドリアーヌ・ピン、フィン・ゲアジッツの3名も、この他のクラスのチャンピオンマシンをドライブする権利を得た。この4人のドライバーたちは、シリーズが“パフォーマンス”“レーススキル”および“コミットメント”の指標に基づいて選ばれている。
21歳のワドゥは今年、アルピーヌ・エルフ・ヨーロッパ・カップからプロトタイプレースにステップアップし、リシャール・ミル・レーシングチームからWECに参戦。ポール・ループ・シャタンと、昨年のルーキーテストでトヨタGR010ハイブリッドをドライブしたシャルル・ミレッシとともに1号車オレカ07・ギブソンをシェアしている。なお、シャタン加入前の序盤3戦では通算8度のWRC世界ラリー選手権チャンピオンであるセバスチャン・オジエがチームメイトだった。
「選ばれてとてもうれしい。ちょうど1年前、リシャール・ミルのLMP2カーでバーレーンのルーキーテストに参加しました。それは私のキャリアの大きな一歩でした。なぜなら突然プロトタイプカーを運転することになったためです」とワドゥは述べた。
「そこでは多くのことを学びました。今度はハイパーカーのステアリングを握ります。それは夢のようで、とてもうれしいです」
「女性でもモータースポーツの最高レベルに到達できることを示すことができ、誇りに思っています。私の例が、若い女性たちにこの道を歩むきっかけにになればと願っています」
LMGTEプロのチャンピオンカーをドライブすることになるコロンボはFIA F3選手権から今年スポーツカーに転向してきた。WECではプレマ・オーレン・チームでロバート・クビサ、ルイ・デレトラズと9号車オレカ07をシェアし、ル・マン24時間ではクラス2位を獲得した。
■GTEカーには18歳と17歳のドライバーが搭乗
LMP2カーをドライブするチャンスを得たピンは、現在フェラーリ・チャレンジ・ヨーロッパでランキング首位に立っている。また、18歳の彼女はアイアン・デイムスの一員として7月のトタルエナジーズ・スパ24時間に参戦し、見事ゴールドクラスのウイナーとなった。WECには5月に開催された第2戦スパで、同チームから代役でのシリーズデビューを果たしている。
最年少17歳のゲアジッツはユナイテッド・オートスポーツからELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズのLMP3クラスに参戦しているドイツ人ドライバーだ。彼はAsLMSにも参戦するなどACOフランス西部自動車クラブが統括するシリーズに慣れているが、2022年のルーキーテスト選抜メンバーの中では唯一、WECでのレース経験がないドライバーとなっている。11月のテストではTFスポーツ、もしくはノースウエストAMRのアストンマーティン・バンテージAMRをドライブする予定だ。
WECのフレデリック・ルキアンCEOは、「我々のシリーズには非常に才能豊かなドライバーが揃っており、リロウ(・ワドゥ)、ロレンツォ(・コロンボ)、ドリアーヌ(・ピン)、フィン(・ゲアジッツ)の4人は、ルーキーとして最高の選手と比較される」と述べた。
「ルーキーテストは、これらのドライバーにとって、前日に各カテゴリーのチャンピオンを獲得したマシンで本物のサーキットテストを行うことができる絶好の機会だ」
「このテストは、FIA WECスポーティングレギュレーションの一環として、若い才能を後押しするために行われているもので、我々は以前からこのテストが若いドライバーのキャリアにいかに有益であるかを見てきた」
「バーレーンで4人のドライバー全員が活躍するのを楽しみにしている」
WECは後日、ルーキーテストのフルエントリーリストを発表する予定だ。