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エクストレイル参戦で更なる最激戦区へ 戦力図はどうなる!? 国産ミドルクラスSUV5番勝負

 人気モデルの新型日産エクストレイルが待望のデビューを果たした。最激戦区 ミドルクラスSUVの勢力争いが風雲急を告げられるのは必至。どこよりも早くエクストレイルをライバル5台と直接対決させた!

●ラインナップ
・エクストレイルvsハリアー
・エクストレイルvsCX-60
・エクストレイルvsRAV4
・エクストレイルvsフォレスター
・エクストレイルvsアウトランダーPHEV

※本稿は2022年7月のものです
文/松田秀士、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年8月26日号

【画像ギャラリー】どれのモデルも魅力的が過ぎる!! 新型エクストレイルとそのライバル車5台をギャラリーでチェック(25枚)画像ギャラリー


■日産 エクストレイル vs トヨタ ハリアー

ハリアーのハイブリッド4WDはリアをモーターで駆動。高速域でもレスポンスに優れているが……

●プレミアムSUV対決

 エクステリア/インテリアの質感を含めてエクストレイルのほうが都会的で斬新だ。

 こちらは後出しじゃんけんの強みだろう。ただドアの開閉時の音質はハリアーのほうが高級感がある。

 MクラスプレミアムSUVとして、エクストレイルはこのあたりの磨きが足りない。

 VCターボでパワーアップしたe-POWERのパフォーマンスは明らか。アクセルオンでいきなり立ち上がるトルクによる発進加速はエクストレイルが心地いい。

 気になるのはハンドリング。ハリアーはトヨタらしい間口の広い安心感を優先したもの。

 対してエクストレイルは4WDのリアモーターを積極的に使い、同時に4輪個別にブレーキをかけてより曲がりやすくしたり、逆に安定させたりと、ハンドリングにスポーツ性をプラスした乗り味だ。

 特にオーテックバージョンは3列シートを持ち、20インチホイール&タイヤを装着して多用途性とラグジュアリー感を演出。

 20インチは、ただホイール&タイヤを変えただけでサスペンションはベースモデルと共通とのこと。タイヤを変えただけでハンドリングの上質化に驚く。

【結論!】スポーツ性の高さならエクストレイルに軍配!

■日産 エクストレイル vs マツダ CX-60

マツダ CX-60。FRベースの4WDならではの素直なハンドリング

●「定番」対「新興」対決

 CX-60はエンジン縦置きのFR用プラットフォームを新設計。これを4WD化。

 直6ディーゼル&マイルドハイブリッド、直4ガソリン&プラグインハイブリッドをラインナップ。最近のマツダの嗜好性からかなり高級感がある。室内静粛性はエクストレイル以上だろう。

 ただしインテリアのデザイン及び使い勝手はエクストレイルだ。

 9.3インチの大型センターディスプレイ&メーターパネルに対してCX-60のそれは横長でタッチ操作を基本としていない。全体がシックなインテリアデザインだ。

 では走りは? というと、エクストレイルが前後モーターの電気的4WD制御とブレーキベクタリングでアジリティにあふれるハンドリングを目指したのに対して、CX-60はクラッチレスの8速ATとオーソドックスな4WDの組み合わせ。

 ただしサスペンション設計には相当なこだわりを持ち、縦置きの前後荷重配分とサスペンションジオメトリーでコーナリング速度を上げている。

 ジェントルに走りたければCX-60。ドライビングそのものを楽しみたければエクストレイルだね。

【結論!】ジェントルに走るならCX-60だ!

■日産 エクストレイル vs トヨタ RAV4

●タフSUV対決 その1

RAV4はタフさが魅力だが、インテリアは落ち着いた雰囲気を醸し出す。操作性を重視したデザイン

 RAV4はTNGA GA-Kプラットフォームを採用。つまり、モノコック構造でJeepなどの本格SUVの必須とも言えるラダーフレームではない。

 しかしRAV4は高いオフロード性能によって大人気。でも、みんなそんなにオフロード走るの? と揶揄されるかもしれないが、本格的なオフロード性能を持つクルマをオンロードで走らせることで心が満たされるわけで、これらを含めてファッションなのだ。

 このファッション性は重要で、でなきゃ燃費が決してよくないSUVがこれほど売れるはずがない。

 さてRAV4はエンジン横置きのFFベース4WDで、ハイブリッドとPHVはリアモーター駆動。特筆なのがガソリンモデル4WDにダイナミックトルクベクタリングAWDなるシステムがあること。これがなかなか凄くて後輪の左右トルク配分を0~50で連続可変する。コレ、オフロードでかなり効果を発揮する。

 エクストレイルのe-4ORCEでオフロードを走る機会はまだないが、オンロードでのコントロール性のよさから考えてもオフロードでもかなりのポテンシャルがあるのは間違いない。

【結論!】本格オフローダー的なRAV4の壁は高い!?(判断保留)

■日産 エクストレイル vs スバル フォレスター

スバル フォレスター。今回登場させたミドルクラスSUVでは最も質実剛健なインテリアながら、スバルが積極採用しているタブレットタイプの縦型液晶モニターは先進的

●タフSUV対決 その2

 低重心の水平対向4気筒エンジンをFRのように縦置きし、直後にトランスミッションを直結。重量物のトランスミッションを極力車体の中央寄りに搭載することで前後荷重配分を理想的にするのが狙い。

 さらにセンターに置かれたトランスミッションからはまっすぐプロペラシャフトが伸びてリアデフに接続。センターゆえ左右ドライブシャフトは前後ともに等長で4輪へのトルクの伝達が左右均等。これがスバルのシンメトリカルAWDだ。

 e-POWERといえどもエンジンをフロントに横置きするFFベースのエクストレイルは基本的に前後荷重が異なる。そこを前後モーター制御でカバーしているのだ。

 フォレスターは頑強なボディと鍛え抜かれたアシでコーナリング速度は速い。ロールもかなり抑え込まれている。

 コレ、ボクは引き分け。どっちもいいもん!

【結論!】この勝負甲乙つけがたし!! どっちもいい!!!

■日産 エクストレイル vs 三菱 アウトランダーPHEV

三菱 アウトランダーPHEV。S-AWCによりどんな路面でも高いポテンシャル

●同一プラットフォーム対決

 きたぁ~! やっぱアウトランダーと比較するよね。

 アウトランダーのエンジンは発電も駆動もしてリアはモーター駆動の4WD。現行はエンジンがパワーアップして発電に余裕を作らせ、リアモーター出力をフロントモーターと同じレベルにパワーアップ。

 コレ、今回のエクストレイルに採用された4WDのe-4ORCEと同じようなことをすでに昨年のフルモデルチェンジで行っている。

 とはいえ、三菱は日産の強力なグループ会社でプラットフォームもアライアンスの関係でルノーを含めた共有関係にある。

 実際Sモードで走らせるとかなりアジリティのあるドライビングを楽しむことができるのだ。オフロードも路面環境(グラベルなど)に合わせてマルチな走行モードが選べる。

 この背の高さでガンガン攻めて走らせても破綻しない。

 舗装路での究極の走りはエクストレイルだろうが、差はわずか。室内ユーティリティとPHEVの実用性を考えるならアウトランダーとなるだろう。

【結論!】舗装路での究極はエクストレイルだが僅差

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