9月17~18日、FIM世界耐久選手権(EWC)2022シーズン第4戦ボルドール24時間耐久ロードレースの決勝レースがフランスのポール・リカール・サーキットで行われ、ヤマハYZF-R1を走らせた#333 VILTAIS RACING IGOL(フロリアン・アルト/エルワン・ニゴン/スティーブン・オデンダール組)が優勝を飾った。
シリーズチャンピオンは第1戦ル・マン24時間、第2戦スパ24時間で3位を獲得し、第3戦鈴鹿8耐で10位、そして今大会で4位フィニッシュした#5 F.C.C. TSR Honda France(ジョシュ・フック/マイク・ディ・メリオ/アラン・テシェ組)に輝いた。タイトル獲得は、2017-2018シーズン以来、2度目となる。
ボルドール24時間は100周年、85回目の開催となり、2022年のEWC最終戦としてタイトルが決定するレースとしての位置づけだ。ドライコンディションでレースがスタートしたが、序盤からトップチームがトラブルに見舞われる展開となった。
BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(BMWモトラッド)がホールショットを奪い、F.C.C. TSR Honda France(TSRホンダ)、ヨシムラSERT Motul(ヨシムラ)、ERC Endurance Ducati(ERCドゥカティ)の4台がトップ集団を形成すると、WEBIKE SRC KAWASAKI FRANCE(SRCカワサキ)、VILTAIS RACING IGOL、またもスタートで出遅れたYART – Yamaha Official Team EWC(YARTヤマハ)が追いかける。
レーススタートから1時間05分、ヨシムラSERT Motulがエンジンのオーバーヒートにより渡辺一樹が緊急ピットイン。エンジンを分解して修復作業を行ったが、トラブルは解消せずに5時間が経過する前に、リタイアを宣言した。
2時間10分、首位争いをしていたBMWモトラッドがタイヤのパンクでピットイン。その後、コースに復帰したが、エンジントラブルにより再度ガレージにマシンを入れてリタイアした。
2時間23分、TSRホンダがオイル漏れのトラブルのようで、ガレージにマシンを入れて修復。4時間17分にもエキゾーストのパーツを交換するために交換作業を行った。一時は首位を走行したが、後方からの追い上げを余儀なくされる。
3時間22分、トップ走行中のYARTヤマハもエンジンのトラブルを抱えて、ガレージにマシンを入れる。6時間30分が過ぎると39番手でコースに復帰したが、1周もできずに6コーナーでマシンストップ。その後リタイアした。
3時間47分、2番手のSRCカワサキがコース上でマシンをストップ。マシンを押してピットに戻り、約20分後に33番手でコースに戻った。
また、ERCドゥカティは10秒のストップ&ゴーペナルティが科され、8時間55分に消化。その1時間後に、トラブルを抱えてクラッチを交換。1番手から4番手にポジションを落とす。また、11時間頃、TATI TEAM BERINGER RACINGも10秒のストップ&ゴーペナルティを科されて消化した。
この頃、渥美心を擁するOG MOTORSPORT BY SARAZINはSSTクラスの首位に浮上していたが、11時間46分に転倒。マシンの修復を試みたが1時間半後にリタイアした。
レース折り返しの12時間はトップから、TATI TEAM、ERCドゥカティ、Wojcik Racing Team EWC 77、VILTAIS RACING IGOL、そしてTSRホンダは5番手まで順位を回復させた。
レース後半は大きなトラブルがなく、TATI TEAMとERCドゥカティがピットのタイミングでトップを入れ替えるなどのバトルを展開。それぞれ1周差がついているWojcik Racing Team EWC 77、VILTAIS RACING IGOL、TSRホンダもひとつでもポジションを上げるためにレースを続ける。
8時間、16時間の中間ポイントが与えられ、首位ヨシムラとTSRホンダのポイント差は12点に。すでにリタイアしているがヨシムラのタイトル2連覇の可能性はあるが、TSRホンダが順調にレースを進めて完走すればTSRホンダがチャンピオンに輝くことになる。
19時間40分、再びレースが荒れだし、2番手だったTATI TEAMがガレージにマシンを入れて戦線離脱。その関係でTSRホンダは4番手に浮上した。21時間28分、VILTAIS RACING IGOLがピットに入りで4番手となり、TSRホンダが3番手に浮上する場面も見られた。
22時間36分、トップのERCドゥカティのマシンから白煙が上がりマシンをガレージに入れる。30分程でコースに戻り5番手となる。22時間46分、次はトップに入れ替わったWojcik Racing Team EWC 77がチェーンのトラブルでスロー走行してピットでパーツを交換。トップはVILTAIS RACING IGOLに入れ替わる展開となった。
その後は大きなトラブルはなく、VILTAIS RACING IGOLが718ラップを周回して優勝。Wojcik Racing Team EWC 77が2位、SRCカワサキが3位表彰台を獲得した。また、日本から参戦したTONE RT SYNCEDGE 4413 BMWは29位でチェッカーを受けている。シリーズチャンピオンはTSRホンダに輝き、2017-2018シーズン以来2度目のEWC王者となった。