メルセデスのチーム代表であるトト・ウォルフは、今週末のアブダビでは、ブラジルGPでのパフォーマンスを再現するよう試されることになると考えている。
メルセデスのW13は間違いなく進歩を遂げており、最近のレースでチームは上昇傾向にある。メルセデスの新世代マシンの進歩は、インテルラゴスでの圧倒的な速さによって立証された。チームはシーズン初優勝を飾り、完璧な走りをしたジョージ・ラッセルがF1での初優勝を手にしたのだ。
しかしながら、直近2レースのメキシコシティとサンパウロのコースは、比較的低速な性質があり、それがメルセデスに有利に働いた。ウォルフによれば、今週末のヤス・マリーナは同じようにはいかないかもしれないという。
「理論的にアブダビは我々にとってはるかに難しいと思う。我々のマシンは今もドラッグが大きすぎるからだ。だが我々はその理由を理解している」とウォルフは語った。
「我々は(ブラジルでは)なぜ以前より好調だったのか分かっていると思う。だがこの週末になぜ我々が誰よりもはるかに速かったのか? その理由が分からない」
F1のシーズン最終戦に向けたウォルフの保守的なアプローチとは対照的に、ブラジルで2位に入賞し上がってメルセデスの1-2を実現したルイス・ハミルトンは、チームの最近の成長は「本当に素晴らしい兆候」だと語っている。
「かなり長い間、僕たちは何が問題なのか、どうしたら解決できるのかということを、本当に理解することができなかった」とハミルトンは話した。
「それは困難なことだった。常に試行錯誤していたが、何か新しいことがあっても、問題はまだ抱えたままという状況だった」
「だからこれは本当に素晴らしいことだ。自分たちにとっての北極星がどちらにあるか分かっているし、この冬にどこに全力を尽くす必要があるか分かっているんだ。チームの信じられないほどのハードワークを、とても誇りに思っている」
今週末の最終戦は、2007年のマクラーレンからのデビュー以来、すべてのF1シーズンで少なくとも1回のグランプリ優勝を果たしてきたハミルトンが、その記録を保持する最後のチャンスだ。しかしウォルフは、難しいと思われる2022年のハミルトンの勝利達成を助けるために、彼をチームメイトより優先する計画はメルセデスにはないと述べている。
「ルイスは優先的に扱われることなど必要としていないと思う。それは彼の望むことではない」とウォルフは語った。
「彼が以前に言ったと思うが、毎シーズンにレース優勝を飾るというこの記録は、彼にとってそれほどの優先事項ではない」
「それよりも、マシンをあるべきポジションに戻すことが重要だ。そして来年はさらなる勝利と、願わくばタイトル獲得を目指してレースをするのだ」