メルセデスは、ニック・デ・フリースがF1でフルタイムのシートを得たことを喜んでいる。しかしテクニカルディレクターのマイク・エリオットは、デ・フリースがメルセデスで蓄えた知識は、彼の将来の雇用者であるレッドブルに利益をもたらすことはないだろうと述べている。
メルセデスのリザーブドライバーとして、デ・フリースは多くのレースウイークをチームのガレージで過ごし、テクニカルブリーフィングにも出席してきた。しかし日本GPを前に、デ・フリースが2023年にアルファタウリに移籍する発表が行われると、メルセデスの技術データへのアクセスは必然的に制限された。
だが、デ・フリースはシーズン終了までチームに残る予定だ。また、若手ドライバーをフリー走行に起用する義務をメルセデスが果たすにあたって、デ・フリースがメキシコでジョージ・ラッセルに代わってFP1を担当するともみられている。
「我々は彼がチャンスを得たことを本当にうれしく思っている」とエリオットは語った。「行き先は残念かもしれないが、それはそれだ」
「彼はこのチャンスにふさわしいし、自身が非常に優れたドライバーであることを示してきたと思う。彼がガレージにいるのは素晴らしい。好人物でとても生き生きとしているし、マシンのことを理解している」
エリオットは、デ・フリースが知識や機密データをアルファタウリに持ち込むことについては何の懸念も抱いていない。
「彼には信頼を置いているので、マシンに乗せるし、ともにテストをする。我々が見てほしくないことを彼は見ないだろうと信用しているし、彼はいい仕事をするだろうと思っている」
またエリオットは、デ・フリースがメルセデスからフォーミュラEに参戦したことで、彼のブラックリーでのシミュレーター作業時間が制限されていたことを指摘した。
「多少は行った。もちろん彼はフォーミュラEにも出ていたので、そのせいで多くの時間を取られていた」
「だが、F1の変化は早く、学ぶペースも早くなる。彼が1年前にやったことは、特に彼の役には立たないだろう。彼がここから得たものは、ともに仕事をする方法と、我々のプロセスとシステムということになるかもしれない」
「さっきも言ったように、我々が望んでいるのは彼の幸運を祈ることだろう。彼は我々に対してとても立派な対応をしてくれると思うので、何の心配もない」