F1第22戦アブダビGPの金曜日のフリー走行で、角田裕毅が15番手、チームメートのピエール・ガスリーも19番手と出遅れたアルファタウリは、金曜日の夜のミーティングでセットアップを変更することを決定した。
「ターンインの安定性やコーナー中盤の回頭性などを改善するために、一晩でセットアップやツールのセッティングのさまざまな部分に調整を施した」(ジョディ・エギントン/テクニカルディレクター)
その結果、土曜日のフリー走行3回目では角田が13番手のタイムをマーク。ガスリーも15番手までポジションを回復させた。
「金曜日から土曜日にかけて大きく変えて、それが悪くないことを土曜日のフリー走行3回目で確認できました」
しかし、予選でQ3を目指すには、まだ十分ではなかった。
「あとは予選までにいかにセットアップを微調整して、まとめあげるかでした。でも、まとめあげるのに少し時間がかかりました」という角田とチームは、このままではQ3進出は厳しいと悟り、現実的な目標に切り替えた。
「Q3に進出することは当然考えていたんですけど、厳しいことはチームとしてもわかっていたので、まずはQ1を突破することが第一目標にして、Q1で3セット使うことにしました」(角田)
Q1の1セット目のタイヤでまずは1分26秒135を記録した角田は14番手につけた。2セット目のタイヤでコンマ3秒刻んで1分25秒853をマークするが、ライバル勢が2セット目のタイヤでのアタックを終えると、ポジションはズルズル下がり16位に。
この段階で残り時間はわずかとなっており、Q1で3セットのタイヤを使用することを決めていた角田は、すでにコースインしていた。この積極的な作戦が功を奏して、3セット目のアタックで角田はさらにコンマ2秒縮めて1分25秒630を叩き出し、10番手でQ2進出を決めた。
Q1で3セットの新品のソフトタイヤを使用したため、Q2の1回目のアタックはユーズドタイヤとなった角田。Q3進出をかけたアタックは2回目の新品1セットに限られた。
そのアタックの6コーナーのブレーキングでわずかにロックアップした角田は11番手で、今シーズン最後の予選を終えた。
それでも、チームメイトのガスリーとの最後の予選に勝って、しっかりと成長していることを印象づけた。
「ガスリーに勝って終われたことはよかったですけど、いまチームはコンストラクターズ選手権で正念場に立っているので、明日に集中したい」
日曜日のレースでは、一年の集大成を見せて、笑顔で終えてほしい。