2022年9月15日、ついに発売されたマツダの新型SUV CX-60。ラインナップは下記の通りだが、一番の注目は純国産車で久しぶりに直6が搭載されることだろう。3.3Lディーゼルハイブリッドに公道で試乗。自動車評論家、清水草一が遠慮なしのガチ評価に挑む。
●マツダ CX-60 価格ラインナップ
・直4、2.5Lガソリン:299万2000~407万円
・直6、3.3Lディーゼル:323万9500~465万8500円
・直6、3.3Lディーゼルハイブリッド:505万4500~547万2500円
・直4、2.5LPHEV:539万~626万4500円
※本稿は2022年9月のものです
文/清水草一、ベストカー編集部、写真/MAZDA、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月10日号
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■久々登場 直6搭載の国産車に試乗
クルマ好きにとって、「直6」は特別な存在。つまりスターだ。時代の波に抗えず、国産から消えて久しいが(スープラはBMW製だからカウントせず)。ついにスターが帰ってきた! ディーゼルだけど!
いや、直6ディーゼル大歓迎! だってメルセデスやBMWの直6ディーゼルは最高だから! 直6搭載のFRシャシーというだけで、マツダCX-60が光り輝いて見えませんか!?
今回試乗したのは、3.3L直6ディーゼルターボ+48Vマイルドハイブリッドを搭載したXDハイブリッド(4WD)。初期受注の45%を占める一番人気グレードだ。
満を持して走り出したが、直後に「あれ?」となった。まずステアリングが妙に重くてシブい。そしてエンジン+モーターも重ったるくてパワーがない。
サスペンションはやたら硬くてクルマがハネまくる。どこか鉄アレイ持って鉄ゲタ履いてジョギングしてるみたいな……。どうしたんだジョー!
まずい。褒めるところがないと思ったが、続いて乗った個体はかなり別物で好印象。
オドメーターは前者が約2000キロ、後者は4000キロ。マツダ車はドイツ車みたいにアタリが付くのに時間がかかる傾向があるが、それにしても全然違うやんけ!
ということで今回は、4000キロ走行の個体を基準にインプレを書かせていただきます。
■WLTC燃費は21.0km/L 高速道路の100km/h巡行では19.0km/Lをマーク
ところでCX-60搭載の3.3Lディーゼルターボは、排気量のわりにパワーもトルクも控え目だ。
最高出力254ps、最大トルク56.1kgm(モーターは16.3ps、15.6kgm)。
理由は、そのぶんを燃費と排ガスクリーン化に回したから。
確かにWLTC燃費は21.0km/Lと、2.2ディーゼル搭載のCX-5の16.6km/Lを約27%も上回っている。貢献度は、エンジン改良で10%、ハイブリッドで14%、8速ATが3%くらいだそうです。
今回は短時間の試乗だったが、サイズのわりに相当燃費がいいことは実感できた。高速道路の100km/h巡行で19.0km/Lをマーク。20.0km/L超えも可能だろう。
パワー/トルクが控え目とは言っても、さすが3.3L直6。
アクセルを深く踏み込めば「ゴワワワワ~ン!」という叫びとともに突進する。「猛烈にパワフル」までは行かないが、十二分に元気です。
その時のサウンドは、シルキーな直6というよりもV6やV8っぽく、バリッとビートが効いている。そのようにサウンド作りをしたそうです。少なくとも直4では味わえないプレミアム感アリ!
48Vマイルドハイブリッドや、新開発のトルコンレス8速AT(湿式多板クラッチ使用)は、ごく自然なフィールで特段の印象ナシ! うまく溶け込んでおります!
サスはまだ少し硬めでしたが、走りこめばさらに馴染む気配アリ。オーナーはクルマを成長させるヨロコビに浸れそうだ。
総合的には、まずまずのゼイタク感と低燃費を同時に味わえる、スタイリッシュなラージSUV、ということになりましょうか。お値段500万円超えも納得でちゅ。
●マツダ CX-60(XD-HYBRID Exclusive Modern)主要諸元
・全長×全幅×全高:4740×1890×1685mm
・ホイールベース:2870mm
・重量:1940kg
・最低地上高:180mm
・最小回転半径:5.4m
・パワーユニット:3.3L、直6ディーゼルターボ+モーター
・エンジン最高出力:254ps/3750rpm
・エンジン最大トルク:56.1kgm/1500-2400rpm
・モーター:16.3ps/15.6kgm
・WLTCモード燃費:21.0km/L
・トランスミッション:8AT
・本体価格(税込):505万4500円
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投稿 マツダ新型CX-60 期待と不安入り混じる公道レビュー 直6 3.3L&一番人気グレードの実力は!!? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。