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 日本旅行大阪法人営業統括部 鉄道・バス企画デスクでは、⻄日本JRバス・神戸電鉄・北条鉄道各社がタッグを組んだプロジェクトが登場。基地撮影会・見学会や貸切運用などのバス・鉄道ファン垂涎のメニュー満載企画となっている。

「国産最後のダブルデッカー(2階建) 三菱ふそうエアロキングで行く 神戸電鉄鈴蘭台⾞両基地見学&粟生線1100形貸切列⾞と北条鉄道キハ40貸切列⾞」がとにかくマニア必見というが、果たして。

文:古川智規(バスマガジン編集部)


バスファンにも鉄道ファンにも!!

 まずバスファン向けの企画として、⻄⽇本JRバスで三菱ふそうエアロキングを当ツアーで貸切運行し「大阪⾼速管理所」で撮影会を行う。

 神戸電鉄では「鈴蘭台車両基地」を見学。その際に1929年製のデ 101形も見学する。鈴蘭台からは神戸電鉄の現役車両で唯一の二つドア車1100形を貸切運行 し、急勾配が点在する粟生(あお)線で終点の粟生まで走破する。

 また途中の志染(しじみ)では記念撮影用にドア扱い停車を行う。北条鉄道ではJR五能線から転入したキハ40を貸切運行し、終点の北条町まで国鉄型気動車の乗り心地を楽しむ。

 神鉄粟生線は神戸市中心部からJR加古川線の粟生駅までを六甲山の北側を抜ける路線だ。現在は電化している加古川線だが、以前は3線が乗り入れる粟生駅では神鉄のみが電化線だった。粟生駅は神鉄・JR・北条鉄道の3線が乗り入れる。

日本唯一の閉塞方式を体感せよ!

 北条鉄道は国鉄北条線を引き継いだ第三セクターで、北条線の1路線のみを運営する。長らく全線が1閉塞(全線単線)で交換施設がなく、1両の軽快気動車(いわゆるレールバス)が粟生-北条町間を往復していたが、2019年に途中駅の法華口に交換施設を設置した。

 これにより北条線は同駅で2つの閉塞区間に分割され、この際に日本で唯一の票券指令閉塞式が採用された。昔ながらのタブレットを使用するのではなく、それぞれの区間で異なるICカードを使用して運転士がカードリーダーにタッチすることにより、出発信号機の信号現示を変えて出発する。

北条鉄道

 厳密な手順としては運転士が駅でICカードをタッチすることにより、列車位置や列車の在線を把握している指令員が閉塞を取り扱う(実際には自動)ことになっている。列車数が少ないローカル線で交換駅が無人駅でも導入できる非自動のハイテク閉塞方式である。

 これにより朝夕のラッシュ時に同時に2列車を運転することが可能になった。また2列車を同時に運行させることにより予備車が不足したことからJR東日本からキハ40を購入した。これが今回運転される貸切列車だ。

う~ん……バブリー!! 神鉄粟生線

 神鉄粟生線はバブル期に沿線に住宅が立ち並び、通勤需要で乗客が増え続けた。全国のニュータウンで同じ問題を抱えているが、粟生線沿線も例外ではなく住居を構えた世代が一斉にリタイアする年代になり通勤需要が減少した。

神戸電鉄

 とはいえ人口が一気に減少したわけではなく、高速道路の開通やマイカー移動の方が主流になった側面もある。有馬線・神戸高速鉄道の新開地駅を介して阪急・阪神・山陽電鉄に接続できる便利な路線だが必ず乗り換えが必要なことや、沿線に神戸市の中心地である三宮に直通で行けるバスがニュータウンを縫うように走るようになり、神鉄粟生線からバスに移行する現象が顕著になった。

 沿線の3市(神戸市・三木市・小野市)と兵庫県では積極的な支援を行い神鉄も経営努力をしたものの改善せず、また上下分離方式も実現せず存廃が議論されるフェーズにまで進んでいる。そんな大都市周辺の電化路線でさえも抱える問題を考える機会にもなるだろう。

ツアーメニューからそのオトクさがわかる!!

 旅行期間は2022年11月27⽇(⽇)出発の⽇帰り。最少催行人員は50名、旅行代金は16,500円(大人・小人同額)。旅行行程は次の通り。

 (時刻は予定/━━貸切バス、++++鉄道)桜島駅09:15━━⻄⽇本JRバス・大阪⾼速管理所(撮影会)━━━神戸電鉄・鈴蘭台車両基地(見学)13:00++++(神戸電鉄粟生線・1100形貸切列車)++++粟生駅14:20/14:43又は15:43+++(北条鉄道・キハ40貸切列車)+++北条町15:02又は16:02/16:15━━大阪駅周辺18:00

 ツアーの申し込みは「⽇本旅行 大阪法人営業統括部 鉄道・バス企画デスク」専用のツアー予約サイトからのみ受け付ける。

西日本JRバスのエアロキングで出撃せよ!!

 三菱ふそうエアロキングはすでに製造していないことから、高速車からは引退している車両が多く、オープントップバスへの改造や、保存車、または貸切専用として残っている車両限りの年々レアになっていく国産ダブルデッカー車だ。

大阪高速管理所

 これが貸切車とはいえ、現役さながらの走りを見せる機会はもう多くないと思われる。その意味でも興味深いバス&鉄道のハイブリッドツアーになりそうだ。

投稿 バス・電車ファン必見!! エアロキングで行く神戸電鉄の車両基地見学ツアーが盛りだくさん過ぎる自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。