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 2023年F1カレンダーが24戦から成ることが決まり、F1で仕事をする人々に大きなプレッシャーを与えている。一部のチームは、たとえばチームメンバーを1レースおきに交代させるローテーション制を検討している。

「我々全員にとって新たな境地だ」とウイリアムズの車両性能責任者を務めるデイブ・ロブソンは語った。

「技術系の重要なポジションをローテーションすることには、長所と短所がある。すべてのレースに行くとなると、ファクトリーで過ごす時間がほんのわずかになり、マシン開発の面で有益ではない」

「我々は一部でローテーション制を導入しているので、レースによって違う者がドライバーに話しかけることになる。昨シーズンからそのようにしており、半分はカレンダーの拡大に備えている。ローテーション制はエンジニアリングチームとメカニックの長期的な将来にとって、おそらく重要なものになるだろう。どのようなやり方をするか、最も効率的な方法は何かということが問題だ」

 ドライバーはもちろん、24戦すべてに参戦しなければならない。そして彼らにとっては、同じエンジニアたちが周りにいることが重要だ。F1ドライバーと担当のレースエンジニアの関係は非常に大切なものだ。ハースのケビン・マグヌッセンに聞けば、エンジニアが交代することの苦労が分かるだろう。彼は今季序盤を担当エンジニアのエド・リーガンと過ごした。しかしその後のシーズン中盤はドミニク・ヘインズがつき、現在は経験豊富なマーク・スレードが担当している。

「このことは僕のシーズンに影響した」とマグヌッセンは認めた。

「ドライバーとエンジニアの間に本来あるべき理解を築くのには、時間がかかる。レースエンジニアがドライバーの強みと弱みを理解することは重要だ。そうして初めて、マシンを強みと弱みに合わせて調整できる」

「それは重要なことだと思う」とメルセデスのテクニカルディレクターを務めるマイク・エリオットも認めた。

「ほとんどのドライバーは、おそらく専任のレースエンジニアを望んでいると思う。なぜなら彼らはドライバーの扱いに慣れているし、エンジニアとドライバーの間には結びつきができるからだ。つまり、言葉で表されることがないすべてのシグナルを理解できる。ボディランゲージを理解できれば、それをうまく利用できる。まったく知らない人間と仕事をする場合、そうすることは難しいと思う」

2022年F1第2戦サウジアラビアGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)とレースエンジニアのピーター・ボニントン(“ボノ”)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)とレースエンジニアのピーター・ボニントン(“ボノ”)

 エリオットは、ドライバーとレースエンジニアが今後は「遠距離恋愛」をしなければならないかもしれないと付け加えた。

「我々のテクノロジーがあれば、レースエンジニアはたとえばファクトリーから参加することもできるだろうし、そうなれば少なくとも現地に行く際につきものの、フライトや時差ボケの心配はなくなる。それならバランスを取ることができると思う」