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 2022年シーズンのロードレース世界選手権MotoGPは、全20戦で争われているが、すでに18戦を終えている。そして、MotoGP、Moto2クラスのチャンピオンはまだ決定していないまま、10月23日に第19戦マレーシアGPの決勝を迎える。最終戦バレンシアGPの1戦を残して両クラスともに王座獲得の可能性があるため、それぞれの獲得条件を見ていく。

 まず、Moto3クラスはイサン・グエバラ(Gaviota GASGAS Aspar Team)がMoto3クラス参戦2年目にして前戦でチャンピオンを決めた。1週前の第18戦オーストラリアGPで優勝を飾り、18戦終了時点で6勝を含む11度の表彰台を獲得し、2戦を残して王者となった。

 そしてMotoGPクラスは、タイトル可能性が4人のライダーに絞られている。18戦終了時点で6勝を含む計9度の表彰台を獲得しているポイントリーダーのフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が、今季3勝を含む計7度の表彰台を獲得しているファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)に対して、14ポイント差をつけている。

 そしてランキング3位のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)には27ポイント、ランキング4位のエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)には42ポイント差のアドバンテージを築いていることから、今大会でバニャイアがライバルに対して25ポイント以上の差を広げるとチャンピオンを獲得できる。そんなバニャイアのチャンピオン獲得条件を詳しく見ていこう。

■MotoGPクラスのタイトル獲得条件
・バニャイアが優勝、クアルタラロが4位以下
・バニャイアが2位でゴールし、クアルタラロが7位以下、アレイシ・エスパルガロが2位以下
・バニャイアが3位でゴールし、クアルタラロが11位以下、アレイシ・エスパルガロが4位以下
・バニャイアが4位でゴールし、クアルタラロが14位以下、アレイシ・エスパルガロが4位以下
・バニャイアが5位でゴールし、クアルタラロが0ポイント、アレイシ・エスパルガロが4位以下

 続いてMoto2クラスは、日本勢の小椋藍が(IDEMITSU Honda Team Asia)が第18戦オーストラリアGPで再びチャンピオンリーダーに浮上し、タイトル獲得の可能性を残している。チャンピオン争いはすでにふたりに絞られており、小椋は18戦終了時点で3勝を含む計7度の表彰台を獲得しており、ランキング2位のアウグスト・フェルナンデス(Red Bull KTM Ajo)に3.5ポイント差をつけている状況だ。

 小椋は今大会の第19マレーシアGPの予選では今季3度目のポールポジションを獲得し、ライバルのアウグスト・フェルナンデスは2列目6番手となっており、小椋がチャンピオン獲得に向けて有利な位置からスタートする。そんな小椋のチャンピオン獲得条件を詳しく見ていこう。

■小椋のタイトル獲得条件
・優勝、アウグスト・フェルナンデスが13位以下

 今大会で小椋がチャンピオンを決めるには、優勝は絶対条件となっている。もし小椋が優勝以外、そしてアウグスト・フェルナンデスが12位以上でフィニッシュした場合は、最終戦に持ち越されることになる。もし小椋がチャンピオンを獲得すると、中量級では日本勢としてはIDEMITSU Honda Team Asiaの青山博一監督以来の13年ぶり、そして歴代6人目となるが、Moto2クラスへと名称が変更されてからは日本人初となる。

 両クラスともチャンピオン争いがもつれ込んでいるが、ポイントリーダーのふたりは残り1戦を残して王座決定戦に終始を打つのか。それとも、ライバルたちが待ったをかけて最終戦に持ち越すのか、23日に行われる第19戦マレーシアGPの決勝に目が離せない。