BMW Mモータースポーツは9月22日、2023年にIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスにデビューするLMDh車両『BMW Mハイブリッド V8』のレース用カラーリングを発表するとともに、2台のドライバーラインアップを明らかにした。
BMWは、現在開発中のMハイブリッド V8で2023年からIMSAに、2024年からはWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦する。
今回、ロサンゼルスのピーターセン博物館で開催された発表イベントにおいては、2023年のIMSAを戦うチームRLLの車両カラーリングが発表。さらに24号車のドライバーとしてコーナー・デ・フィリッピとニック・イェロリーが、25号車のドライバーとしてアウグスト・ファーフスとフィリップ・エングが、2023年のIMSAをフルシーズン戦うことが明らかにされた。また、1月の開幕戦デイトナ24時間レースでは、コルトン・ハータが追加ドライバーとしてエントリーする。
発表イベントには、BMW MのCEOであるフランシスカス・ファン・ミール、BMW Mモータースポーツ責任者のアンドレアス・ルース、IMSAプレジデントのジョン・ドゥーナン、チームRLLの共同オーナーのボビー・レイホール、デビッド・レターマン、パトリック・ラニガンらがゲストとして出席した。
■「DTMのクラス1車両を思い出す」
BMWはヨーロッパで10人程度のドライバーをテストした後、4名を選定した。
「GTPプロジェクトが発表されて以来、このプログラムに参加することは僕の夢だった」と、7月にバラーノでマシンのシェイクダウンを行ったデ・フィリッピは語っている。
「僕らは皆、IMSAのトップレベルでBMWにチャンピオンシップ・リザルトをもたらしたいと熱望している」
イェロリーは「デイトナとセブリングでIMSAに初参戦した後、北米でフルシーズンを戦うことになり、この素晴らしいマシンで戦えるのは最高だ。僕にとっては、ハイダウンフォースのレーシングカーのルーツに戻るようなもの。本当に楽しみだ」と語っている。
エングは、フルシーズンのドライブの機会を与えられたことについて「光栄」だと語った。
「BMW MハイブリッドV8での最初のラップは、決して忘れることがないだろう」とエングは語っている。
「これは、膨大なパフォーマンスとパワーを備えたサラブレッドのレースカーだ。DTMのクラス1規定車両を思い出すよ。IMSAのレーストラックでそれをドライブするのは、とても楽しいだろう」
一方、BMWのレジェンドであるファーフスも、ここ数シーズンはミシュラン・エンデュランス・カップのみの参戦だったが、来年はウェザーテック選手権にフル参戦する予定だ。
「BMW Mモータースポーツの代表として再びトップ・レベルに立つこと、そしてモータースポーツの新時代の幕開けに関わることは、僕にとってまたとない機会であり、大きな名誉だ」と、ファーフスは語っている。
「このエキサイティングなプロジェクトは、僕のキャリアの中でもハイライトのひとつだ。ライバルは非常に強力で、初年度は多くのことを学ぶことになるだろう。だが、スタートから良い結果を出すための準備はすべて整っていると思う。それを可能にするために、我々は間違いなく懸命に働いているよ」
ダラーラシャシーをベースとする新型プロトタイプは、今週初めにセブリング・インターナショナル・レースウェイにおいて、アメリカでのテストプログラムを開始した。さらに10月にミシュラン・レースウェイ・ロード・アトランタ、12月にデイトナ・インターナショナル・レースウェイで行われるIMSA公認テストに参加することが決まっている。
BMWは、1月のデイトナ24時間レースに向けて、北米でのプライベートおよびグループでの走行も予定している。彼らはモーターランド・アラゴンやカタロニア・バルセロナサーキットなど、イタリアとスペインでのテストを経て、アメリカでのテストに移行してきた。
「BMW MハイブリッドV8を短期間でレース用に仕上げるために、ここ数カ月は非常にハードに働いてきた」とルースは語った。
「これは、美しいレースカーだ。今は、それを速くすることが我々の仕事だ。我々は日々この目標の達成に向けて取り組んでおり、1月のデイトナでレースを始めるときには、準備が整っているものと確信している」