Googleマップのストリートビューは、さまざまな場所を画像で見ることができる便利なツールです。では、このストリートビューは誰がどのようにして撮影しているのでしょうか。
今回は、ストリートビューの撮影方法や悪用の可能性、車の盗難に遭わないためにはどのようにしたら良いのか考察します。
文/齊藤優太
アイキャッチ写真/naka – stock.adobe.com
写真/TOYOTA、Adobe Stock
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ストリートビューは誰がどうやって撮影している?
そもそも、ストリートビューで見ることができる画像は、Googleが提供している画像と、ユーザーが提供した画像の2つが合わせられています。誰が撮影した画像なのか知る方法は簡単です。
Googleが撮影した画像の端には、「ストリートビュー」や「Googleマップ」と表示され、Google以外が提供元(ユーザーがアップロードした画像)の場合には、画像の端にアカウント名が表示されます。そのため、Googleが撮影したものなのか、ユーザーが撮影したものなのか、ストリートビューの画像を見ることで、すぐに判断することができるのです。
撮影方法は、Googleの画像の場合、ストリートビュー撮影車(ストリートビューカー)、三輪スクーター、スノーモービルなどを使って撮影しています。ユーザーが提供している画像の撮影方法は、スマートフォンやその他の機材などで撮影した画像です。
つまり、いつでも、誰でも、どこでもストリートビューの撮影者(投稿者)になることができます。そのため、細い路地や住宅街の中までストリートビューで見ることができるのです。しかし、誰でも撮影できて、誰でも見れるストリートビューが悪用されることもあります。
悪用されることも!? 盗難対策&ストリートビューの写真削除方法とは?
いつ・どこで・誰が撮影しているのかわかりにくいストリートビューは、悪用されてしまう可能性が高いです。
実際に、窃盗事件を起こした犯人がストリートビューで下見をしていたという事例が日本でも発生しています。そのため、今この瞬間もストリートビューを使って家の場所を確認されていたり、駐車場に停めてある車が狙われていたりするかもしれません。
警察庁が公開している「自動車盗難等の発生状況について(令和4年3月)」によると、自動車盗難の認知件数は年々減少傾向にあるものの、ゼロになっていないのが実情です。
また、盗難認知件数のうち「キーなし(エンジンキーが差し込まれていたり、運転席やその周辺に放置されていたりしていない状態)」の比率は、平成15年以降70%台で推移しています。直近の令和3年のキーなし比率は全体の76.9%でした。つまり、4台のうち3台がキーなしの状態で被害に遭っているということになります。
この盗難認知件数がストリートビューと直接的に関係があるかどうかは不明であるものの、ストリートビューを使って盗む車の目星をつけている可能性は否定できません。
愛車が盗難被害に遭わないためにも、盗難対策をしておくことが重要です。「STOP THE 自動車盗難(自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム)」のホームページには、「確実な施錠」、「イモビライザーの装着」、「ホイールやハンドル等のロック」、「照明や防犯カメラが設置された駐車場に停める」などが車の盗難対策の方法として紹介されています。また、契約者だけが入れる駐車場に停めるのも盗難対策のひとつといえるでしょう。
ただし、車の盗難には、車両を盗むという方法以外に、部品だけを盗むケースも珍しくありません。そのため、希少な部品や価値が高いパーツを装着している場合には、施錠ができるガレージ保管しておくほうがより安心だといえるでしょう。
●ストリートビューに駐車場や車が写っていたら画像を削除してもらえるのか?
もし、ストリートビューに個人を特定するような情報が写ってしまった場合、Googleにぼかし加工や削除のリクエストすることができます。
Googleに報告する手順は次のとおりです。
1.ぼかし加工や削除したいストリートビュー画像を開く
2.右下・右上に表示されている「問題を報告」を選択(デバイスによって表示が異なります)
3.フォームに必要事項を入力
4.送信
「問題を報告」のフォームには、「ぼかしのリクエスト」、「画質を報告」、「メールアドレス」の3項目が表示されます。
「ぼかしのリクエスト」は、「顔」、「自宅」、「表札」、「自分の車またはナンバープレート」、「別のオブジェクト」の5項目。「画質を報告」は、「画像の場所が違うまたはナビの矢印の位置が違う」、「全体的に画質が悪い」、「アイコンが誤っているか配置が正しくない場所があります」の3項目があります。合計8項目の中からどれか1つを選び、詳細を記入して送信します。
愛車や自宅などが狙われないようにするためにも、一度ストリートビューで自分の家や駐車場などが、どのように表示されるのかチェックしておくとよいでしょう。また、ストリートビューの画像に問題がある場合は、速やかに報告して、ぼかし加工や削除してもらうことをおすすめします。
●日本はストリートビュー訪問ランキング上位! 写りたくなかったら撮影期間をチェック!
2022年5月14日、Googleジャパンブログに「ストリートビューが15歳になりました」という内容がアップされていました。このブログの内容によると、「ストリートビューで最も人気だった国と地域」の3位が「日本」、「過去1年間にストリートビューで最も訪問された都市」の2位に「日本、東京」がランクイン。このランキングからも、日本がストリートビューでよく見られているといえるでしょう。
どうしても、ストリートビューに写りたくないという場合は、どのようにしたら良いのでしょうか。
Googleのページを見てみると「撮影を予定している場所」リストが公開されています。リストでは、都道府県・地域・撮影期間を知ることができます。しかし、いつ・どこを・何で撮影するのかという詳細は確認できません。そのため、ストリートビューに写らないようにするのは難しいといえます。
ストリートビューで公開されたくないものがある場合は、ストリートビューをチェックして、報告するようにするのが得策といえるでしょう。
車を盗まれないようにするためには自分で対策する必要がある
ストリートビューは、訪れたことがない場所の景色や様子を見ることができる便利なツールですが、悪用されてしまう可能性があります。ストリートビューに写ってしまった画像は、公開後にぼかし加工や削除のリクエストができるため、定期的に自宅付近をチェックして、写ってほしくない場面があれば「問題を報告」しましょう。
また、ストリートビューに写ってしまった愛車を盗まれないようにするためには、各自で盗難対策をするしかありません。地下駐車場やガレージなど、屋内に止めていても油断は禁物です。
最近では、屋内撮影のストリートビューもあるため、屋外・屋内問わず狙われてしまうことがあると考えられます。愛車が盗難被害に遭わないようにするためにも、屋内外問わず盗難対策をしておいたほうが良いといえるでしょう。
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投稿 クルマ盗難対策! 悪用の危険性を防げ!! 誰がGoogleマップのストリートビューを撮影? は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。