9月25日、2022年MotoGP第16戦日本GP MotoGPクラスの決勝が栃木県のモビリティーリゾートもてぎで行われ、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は怪我をしていたものの20位で完走した。
予選日は大雨が降り、セッションに遅れが発生するほどの難しいコンディションだったが、大勢のファンとライダーの願いが届いたのか、決勝日は終日青空が広がり、絶好のドライコンディションとなった。
朝のウォームアップ走行で、中上はフロントにハードタイヤ、リヤにミディアムタイヤを履き、そしてマシンにはアルミニウムのスイングアームを導入して走行を行っていた。このセッションではなかなかタイムを上げることが出来ず、1分46秒047の19番手で終えている。そして、使用したスイングアームの新パーツに関しては「思いのほか良いところが感じられなかった」と語っていた中上は、マシンをベースとなる金曜日の状態に戻して決勝に挑んだ。
決勝レースは気温22度、路面温度36度のドライコンディションで始まった。最後尾からスタートした中上は、オープニングラップで20番手までポジションを上げた。しかし、レース中盤に大きく順位を落として23番手まで後退してしまう。
レース中盤には、中上の前を走るライダーが数台転倒を喫してしまったことにより、20番手にポジションを上げる。レース中に痛みと戦いながらも最後まで粘り強い走りを見せていた中上だが、「本当に最後の5、6周は感覚も痛みもやばい感じだなっていうのがあって、指を曲げて離してっていう動作があまりにも多かったので、指の状態が中で悪化してるなっていう感覚があった」と語っていた。しかし最後まで諦めることなく、見事完走を果たして20番手でチェッカーを受けた。そんな中上は今回のレースを次のように振り返った。
「序盤から厳しいレースで、言い訳にはなってしまうけど、指の状況が日に日に悪化してしまい、最後本当にリタイアしようと思うくらい本当に走れなくて、厳しいレースでした」
「でもリスクを承知でレースウイークに走ったのは事実なので、最低限そのレース走り切れたというのは、唯一良かった点かなと思います。出なきゃよかったという悔いは全くなかったし、逆に出てよかったなって思います」
また3連戦最後となる次戦の第17戦タイGPの出場については「まだ決めていなくて、手術が必要なのかも含めてしっかり判断して決断したいと思っています」と語った。