ユナイテッド・オートスポーツが2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦する可能性は、現在のところ低いようだ。チームの共同オーナーであるリチャード・ディーンはSportscar365に対し、仕事量を「過剰に増やしたくない」と語った。
ユナイテッド・オートスポーツは今年のIMSAミシュラン・エンデュランスカップの最初の2戦、デイトナ24時間とセブリング12時間にオレカ07・ギブソン1台で参戦したが、その後のワトキンス・グレン6時間、プチ・ル・マン(ロード・アトランタ10時間)には参加しなかった。
来年の北米プログラムについて、ディーンは現在のところユナイテッド・オートスポーツがウェザーテック・スポーツカー選手権で活動する予定はないと述べた。
「我々はIMSAシリーズと、そこでのすべてのレースを絶対的に愛している」と同氏。
「プチ(・ル・マン)をテレビで見たとき、本当に恋しくなった。とにかくすごいんだ」
「だが、私たち(2月に)AsLMSアジアン・ル・マンに行き、2台のクルマでその約束を果たす。また、WEC世界耐久選手権で2台、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズでも2台のオレカで戦っていく」
「新しいスケジュールを見てみると、4月にWECとELMSの間に4つ連続した週末がある。それ以前のスケジュールにデイトナやAsLMS、3月のセブリングを加えるとなると……我々は無理をしないことを非常に意識している。だから、その可能性は低いと考えている」
2022年とは異なり、来シーズンはELMSの最初の2戦がWECの第2戦と第3戦と連戦になるため、両シリーズに関わるチームにとっては多忙な期間となる。
ユナイテッド・オートスポーツは、WEC LMP2クラスでの2台体制を維持することに加え、来年からELMSでも2台体制に戻ることになっている。
チームは以前のIMSAプログラムのためにアメリカの施設を現在も借りており、その取り決めの性質上、必要に応じてLMP2やLMP3などのプログラムを走らせることが可能だ。
さらに、共同オーナーのザック・ブラウンが最近ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカを周回した『ベロシティ・インターナショナル』などのアメリカのイベントに参加するユナイテッド・オートスポーツのヒストリック部門にとっても、この施設は依然として有用である。
■アルピーヌが計画するLMDhプログラムとの関与も否定
「私たちは充分なキットと機材を持っているので、それを保管するための場所を持つことは正当化できる」とディーンは説明した。
「そこに置くことになる。アメリカには歴史的なレースがいくつもある。仮にアメリカでLMP2マシンを走らせていないのでばれ、そこに足場を置く理由は他にもあるということだ」
ディーンは、ユナイテッド・オートスポーツがIMSA GTPに参加する可能性について、アルピーヌとアンドレッティ・オートスポートの話し合いに関与していないことを付け加えた。
フランスのメーカーとアンドレッティは、ルノー・ブランドが開発中の2024年型LMDhカー(オレカシャシーベース)を使った将来のプログラムを評価していることが知られている。
一方、ユナイテッド・オートスポーツはエクストリームEやRSCレプコ・オーストラリア・スーパーカーなど、他の分野でアンドレッティとパートナーシップを結んでいる。
プロトタイプレースのトップレベルに参戦する意欲を示してはいるものの、ユナイテッドは現在のところ将来のプログラムを決定していない。一方、既報のとおりLMP2のライバルであるチームWRTとJOTAは来年以降、BMWとポルシェのLMDhマシンでWECに参戦する予定だ。
ディーンは、ユナイテッド・オートスポーツがアンドレッティ、アルピーヌとの交渉に関与しているかという質問に対し、「我々の野望を達成するのに役立つ議論であれば、非常にオープンに参加するだろう」と述べた。
「しかし正直なところ、我々はその当事者ではない。我々はアンドレッティとよく話をする。オーストラリア・スーパーカーやエクストリームEでパートナーシップを結んでいるからね」
「私たちは彼らに協力を求めることができるのを知っている。彼らはIMSAの真のパートナーのようなものだ。だが、正直なところ、そういった話し合いはしていない」