アウディは、2026年からパワーユニットマニュファクチャラーとしてF1に参戦するにあたり、ザウバーをファクトリーチームとすることを発表した際に、パワーユニットの現在の開発状況についても明かした。
8月に2026年からパワーユニットマニュファクチャラーとしてF1活動を行うことを明らかにしたアウディは、10月26日、ザウバーと戦略的パートナーとしての契約を結び、同チームをファクトリーチームにすることを発表した。ザウバーは、自身のスイス・ヒンウィルに位置するファクトリーでレースカーの開発・製造を行い、レースオペレーションのプランニングと実行を担当、アウディがドイツ・ノイブルクのファクトリーで製造・開発したパワーユニットを搭載してF1に参戦する。アウディはまた、ザウバー・グループの株式を取得する計画であることも明らかにしている。
アウディ・スポーツはこれまでザウバー・グループの風洞施設をたびたび利用してきており、以前からザウバーが優れた施設と人材を持つことを承知していたと、アウディAGの技術開発担当役員オリバー・ホフマンは述べた。
「我々の野心的なF1プロジェクトに、このように経験豊かで有能なパートナーを得たことをうれしく思う。我々は、これまでの協力関係から、最先端の施設と経験豊富なチームを持つザウバー・グループのことをすでによく知っており、共に強力なチームを形成できると確信している」
ザウバー・ホールディング会長のフィン・ラウジングは、「アウディはザウバー・グループにとって最高のパートナーだ」とコメントした。
「両社が同じ価値観とビジョンを共有していることは明らかだ。強力で成功をもたらすパートナーシップのもとで、共通の目標を達成できることを楽しみにしている」
アウディのパワーユニットは、インゴルシュタットにあるアウディAG本社から近い、ノイブルクのファクトリーで開発・製造される。また、F1パワーユニットプロジェクトのため、アウディ・スポーツの100%子会社である別会社、アウディ・フォーミュラ・レーシングGmbHが設立された。
アウディによると、パワーユニット開発に向けた準備は予定どおり進んでおり、すでに120人以上の従業員がプロジェクトに取り組んでいるということだ。
2023年にはノイブルクの施設の拡張がほぼ完了する予定で、現在本格的な作業が行われている。2026年向けのパワーユニットをF1マシンに搭載して行う最初のテストは、2025年に予定されている。
一方ザウバーは、2025年末までは現在契約しているフェラーリのパワーユニットを搭載してF1に参戦する。現在のパートナー、アルファロメオとの契約は2023年末で終了する。