11月26日、三重県の鈴鹿サーキットでENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookの最終戦となる第7戦『SUZUKA S耐』の公式予選が行われ、ST-Xクラスの62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3(鳥羽豊/平木湧也/平木玲次)が総合ポールポジションを獲得した。
3月に鈴鹿サーキットで開幕した2022年のスーパー耐久は、富士スピードウェイ、スポーツランドSUGO、オートポリス、モビリティリゾートもてぎ、岡山国際サーキットと転戦し、ふたたび開幕戦の舞台である鈴鹿サーキットでの最終戦を迎えた。
予選日となった26日は雨も心配されたが、迎えた土曜日はくもり空ながら終始ドライコンディションとなり、スケジュールどおりの13時から公式予選が行われた。
FIA-GT3規定車両7台がエントリーしたST-XのAドライバー予選では、ランキング2位につけるHELM MOTORSPORTS GTRの鳥羽豊が速さを披露し、2分03秒161を記録してクラストップで予選を終える。2番手にはこちらも今季速さみせる16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rの永井宏明が2分03秒444で続き、3番手には777号車D’station Vantage GT3のジェントルマンドライバーでありながらも速さをみせる星野敏がつけた。
Bドライバー予選では25日のTOYOTA GAZOO Racingの2023年モータースポーツ体制発表で全日本スーパーフォーミュラ選手権へのステップアップが発表された小高一斗が、31号車DENSO LEXUS RC F GT3を駆り2分01秒179というベストタイムでクラストップとなる。しかし、2番手にはBドライバー予選でも平木湧也が2分01秒192を記録したHELM MOTORSPORTS GTRが続き、A+Bドライバーの合算タイムで総合ポールポジションを獲得する結果に。
一方、ランキングトップの888号車Grid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/ショウン・トン/高木真一/山脇大輔)は予選5番手に沈み、ポール獲得の2ポイントを追加したHELM MOTORSPORTS GTRはランキングトップのGrid Motorsport AMGに対して0.5ポイント差で明日の決勝レースに挑むことになった。
すでに前戦岡山で500号車5ZIGEN AMG GT4のクラスチャンピオンが決定しているST-Zでは、その5ZIGEN AMG GT4は今戦にエントリーせず、第6戦を欠場した22号車Porsche EBI WAIMARAMA Cayman GT4 RSを加えた8台で争われる。
Aドライバー予選では“復帰”レースとなるポルシェ・ケイマンGT4 RSを駆る山野直也が2分11秒796でクラストップになると、続くBドライバー予選では、今季のスーパーGT GT300クラスでルーキーイヤーながらランキング3位に輝いた大草りきが2分10秒745というタイムを記録し、2番手の310号車HIRIX★EIKO GT4を2.843秒引き離す速さで文句なしのクラスポールに輝いた。なお、34号車テクノ・SUN’S・モノコレ G55についてはフリー走行中のクラッシュの影響で出走できずに予選を終えることになった。
ホンダ・シビック・タイプR・TCR同士の戦いが繰り広げられるST-TCRは、Aドライバー予選で遠藤光博が2分18秒265を記録した97号車Racer HFDP CIVICが、続くBドライバー予選でも中野信治が2分13秒810と、今季コラボレーションをしているホンダレーシング(HRC)、ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)、ホンダ・レーシング・スクール(HRS・2021年までSRS)の地元とも言える鈴鹿サーキットで両ドライバーともにライバルの75号車Team Noah HONDA CIVIC TCRを上回りクラスポールを獲得した。
第6戦に続き6台がこの第7戦鈴鹿にエントリーしたST-Qで速さを披露したのは3号車ENDLESS AMG GT4となり、Aドライバー予選では小河諒が2分11秒151、Bドライバー予選では川端伸太朗が2分10秒917を記録して連続クラスポールを獲得。クラス2番手には244号車ニッサンZ Racing Conceptが続いている。
ST-Qの3番手には28号車ORC ROOKIE GR86 CNF Concept、4番手には61号車Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptが続いた。両マシンの合算タイム差は0.193秒と今回もかなり僅差で、明日の決勝レースでも面白いバトルが見られそうだ。水素カローラこと32号車ORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptもクラス5番手で順調に予選を終了した。
そして注目のニューマシンである55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptはマシントラブル見舞われA、Bドライバー予選を走ることは叶わなかった。しかしマツダ3はC、Dドライバー予選では修復が完了し走行を行っていることもあり、決勝での走りを楽しみしたい。
第6戦岡山では台数調整のために不参加クラスとなったST-1には今回も3台がエントリー。予選では今季速さをみせる2号車シンティアム アップル KTMのIDA TAIYOが2分09秒875をAドライバー予選で記録し、Bドライバー予選では加藤寛規が2分08秒812をマークし合算タイム4分18秒687でクラスポールに。2番手は4分20秒236で38号車muta Racing GR SUPRA、3番手は4分20秒650で47号車D’station Vantage GT8Rという結果になっている。
こちらも注目のニューマシンであるFL5型ホンダ・シビック・タイプRが登場したST-2は、なんとAドライバー予選でその743号車Honda R&D Challenge FL5を駆る石垣博基が2分17秒980というクラストップタイムを記録して素性の良さを披露した。
しかしFL5シビックはBドライバー予選ではタイムを伸ばすことができず、最終的にクラス4番手となり、A、Bドライバーともに安定した速さをみせたシンリョウレーシングチームのミツビシ・ランサーエボリューションが予選ワン・ツーを飾っている。
チャンピオンを争う225号車KTMS GR YARISはクラス3番手、13号車ENDLESS GRヤリスは5番手。59号車DAMD MOTUL ED WRX STIは排気系トラブルによりA、Bドライバー予選に出走できなかったものの、Cドライバー予選には修復が完了しタイムを記録している。
ここまで僅差の争いが続けられているST-3では、前戦のウイナーである63号車TRACYSPORTS RC 350 TWSが今戦の予選でも速さをみせ、阪口良平と久保凜太郎のアタックにより2戦連続のクラスポールを獲得する結果になった。
クラス2番手にはランキングトップかつ、この第7戦がトヨタ・クラウンRSのラストランとなることを発表した52号車埼玉トヨペット GB クラウン RSがつけ、3番手にはその52号車と20点差のランキング2位につける39号車エアバスターWINMAX RC350 55ガレージ TWSが続いている。
そして開幕戦の第1戦鈴鹿は台数調整のため不参加クラスとなり、今季初めて鈴鹿でのレースが行われるST-4は、今季4勝を飾っている86号車TOM’S SPIRIT GR86がクラスポールを獲得。チャンピオンを争う884号車シェイドレーシング GR86が2番手に続いた。
大激戦のST-5には今回も15台と多くの台数がエントリーしたが、クラスポールには65号車odula TONE HERO’Sロードスターが輝き、2番手に88号車村上モータースMAZDAロードスター、3番手に66号車odula TONE MOTULロードスターが続きトップ3をマツダ・ロードスターが占める結果に。しかし、4、5番手には104号車HM-Rヒロマツデミオ2と4号車THE BRIDE FITもつけており、明日のレースでも接戦が繰り広げられるだろう。シーズン総決算となる決勝は27日10時45分にスタートが切られる予定だ。