9月25日、スパ・フランコルシャン・サーキットでELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ第5戦の決勝レースが行われ、ユナイテッド・オートスポーツの22号車オレカ07・ギブソン(トム・ギャンブル/ダンカン・タッピー/フィル・ハンソン組)が2022年シーズン初優勝を飾った。
ベルギーのオールドトラックを舞台に争われた今季第5戦は、ポールスタートとなった37号車オレカ07(クール・レーシング)がレース序盤をリードする展開に。一方、2列目4番手グリッドからレースを開始した22号車オレカは、スタートラインの前で同じくセカンドロウ発進の65号車オレカ07(パニス・レーシング)を追い越したとして5秒のタイムペナルティを受け取ってしまう。
それにもかかわらずイギリスとアメリカの合同チームは、レース中盤の43周目にトップに浮上するとその後は独走体制に入り、最後はペースをコントロールしながらトップチェッカー。2位フィニッシュとなった43号車オレカ07(インターユーロポル・コンペティション)に23秒508の差をつけて今季初優勝を果たした。
総合3位には8番手スタートから追い上げてきたプレマの9号車オレカ07が入った。開幕2連勝を飾り前戦バルセロナで3勝目を挙げた同チームのフェルディナンド・ハプスブルクとルイ・デレトラズは、これでドライバー選手権ポイントを『100』の大台に乗せ、選手権3位につけるライバルとのポイント差を24としたことから、LMP2タイトルをほぼ手中に収めている(ランキング2位は僚友のロレンツォ・コロンボ)。
レース序盤戦をリードした37号車は2時間目にリヤタイヤのパンクなどアクシデントに見舞われて後退。一時は10番手まで順位を下げたものの、最終的には4位の65号車オレカ07に次ぐトップ5フィニッシュを果たした。
LMP2プロ・アマはファイナルラップまで激しい首位争いが繰り広げられ、88号車オレカ07(AFコルセ)をわずかにリードしたレーシングチーム・ターキーの34号車オレカ07(サリ・ヨルック/チャーリー・イーストウッド/ウィル・スティーブンス組)がクラス優勝を飾った。写真判定による決着となった2台のギャップはわずか0.042秒だった。
LMP3クラスはインターユーロポル・コンペティションの13号車リジェJS P320・ニッサン(ニコ・ピノ/ギリェルメ・オリベイラ/チャールズ・クルーズ組)が優勝し、チャンピオンシップでも首位に立っている。
GTEはコンラッド・グリュネヴァルト/フレデリック・シャンドルフ/ミケル・イェンセン組の57号車フェラーリ488 GTEエボ(ケッセル・レーシング)がポール・トゥ・ウイン。蛍光イエローのカラーが特徴的なこのフェラーリは、レース序盤にラディオンでスピンを喫したが、運良く大事には至らずレースに復帰することができた。
このアクシデントの際にあわや接触するところだった83号車フェラーリ488 GTEエボ(アイアン・リンクス)がその後のレースをリードするも、首位奪還を図る57号車が残り50分で女性チームの跳ね馬を捉える。
トップに立ったイェンセン駆るフェラーリは、そこから後続に8秒のギャップを作ってフィニッシュを迎え、チームに今季初勝利をプレゼントした。クラス2位は83号車フェラーリ、同3位には18号車ポルシェ911 RSR-19(アブソリュート・レーシング)が入っている。
ELMSの次戦第6戦は10月14~16日、ポルトガルで開催。アルガルベ・サーキット(ポルティマオ)で行われる4時間レースは2022年シーズンの最終戦だ。