ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、自身が参戦したすべてのF1シーズンで優勝を飾る記録を今年も維持することは「まったく重要ではない」と述べている。
メルセデスでの1年目にグランプリ優勝回数が1回だけだった2013年を除いて、ハミルトンは毎シーズン、複数回の勝利を収めてきた。しかし今年、7度のF1世界チャンピオンであるハミルトンがその記録を維持するには、あと6レースしか残っていない。メルセデスの新世代マシンがトップ集団の期待に届いていないことから、ハミルトンは実りのないシーズンを過ごしている。
F1レギュレーションの大幅な変更により、メルセデスのエンジニアは多くの問題のある道を歩むことになった。主な問題はマシンのグラウンドエフェクトエアロダイナミクスと、ポーパシングによる複雑さに関連するものだ。
しかしながらゆっくりではあるが確実に、メルセデスはエンジニアのたゆまぬ努力のおかげで進歩を遂げ、W13に影響を与えていたトラブルを軽減することに成功している。
ハミルトンは今でもメルセデスが今シーズンに優勝できると信じているが、もしそれが叶わず、自身1勝もせずにシーズンを終えることになっても、それは「僕にとってまったく重要なことではない」と語っている。
「僕は2007年以来、毎年優勝する機会があったことにとても感謝している」
「今年もチャンスがあるだろうと信じているし、まだ何回かのレースが残っている。トップ集団に復帰し、首位を争うことこそが、僕たちチームとしての本物の大きな目標だ」
ハミルトンは103勝をあげて、F1優勝経験者のピラミッドの頂点にひとりで君臨している。ハミルトンと、同じく7度の世界チャンピオンであるミハエル・シューマッハーは、連続シーズン勝利記録、すなわち15年連続勝利記録を保持している。しかし繰り返しになるが、その記録を突破することはハミルトンにとって大きな目標ではない。
「記録に集中してはいないが、もちろん今年は優勝を目指している」とハミルトンは語った。
「でも記録は僕にとってまったく重要ではない。なぜかと言えば、僕は記録全般をあまり気にしないからだ」
メルセデスの最近の成績はサーキットに大きく左右されており、スパ・フランコルシャンやモンツァの高速コースの特性は、メルセデスのW13にとって弱点であることが証明されている。
理論上は、シンガポールはメルセデスにとってより適した会場だ。しかしハミルトンは予測を行うような危険は冒さない。
「僕たちのマシンがどこで力を発揮するのかまったく分からない。マシンに乗り込んだ時は驚きだった。マシンは(スパの時より)もっとよい感じで、前の週末とまったく違うものだった」
「でも僕は期待している時が多い。残りのレースではブダペスト(やザントフォールト)のようになる感じがする」