レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、今週末のF1第17戦シンガポールGPで、2度目のF1ワールドチャンピオンに輝く可能性がある。しかしフェルスタッペンは、そうした考えは頭から締め出しているという。ドライバーズランキングで圧倒的首位に立っていても、「気は抜けない」からだ。
直近の5レースすべてで優勝し、勝利記録を重ねるフェルスタッペンは、ランキング2位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)に116ポイントもの大差をつけている。今シーズンの残りは6戦なので、フェルスタッペンがシンガポールGPでライバルのルクレールに勝って22点差をつければ、2年連続となるF1タイトル獲得を祝うことができる。
しかしこのシナリオは、フェルスタッペンにとっては現実味が薄いようだ。
「まだまだ気は抜けない」とフェルスタッペンは語った。
「僕たちが目指すのは、さらに多くのレースで勝つことだ。残りのレースも優勝を目指す方針で臨む。安定したパフォーマンスを発揮し、リタイアしないようにしながらね」
「シーズンのはじめはちょっとした問題があった。だけど、僕たちがどれだけ実力のあるチームなのか、あくまでも追求するつもりだ」
数字の上で言うならば、たとえ残りの全レースでルクレールよりも低い順位でフィニッシュしたとしても、フェルスタッペンのタイトル獲得は動かないだろう。しかし数字であれこれ論じるのは、フェルスタッペンに言わせれば、「ばかばかしい」ということになる。
「計算では語れない。レースに出なくなれば、いくらでもそういう話ができるけどね」とフェルスタッペンは語った。
「これは前にも言ったし、チームのみんなもそう考えていると思う。僕たちはもっと多くのレースで勝ちたい。『2位か3位でいいや』なんて、そんな言い方はできない。僕らの仕事の仕方はそうじゃない。いつでもベストを追求するし、みんなが優勝したいと思っている」
「安全策をとって他のチームに勝ちを譲ろう、とは考えたくない。もちろん、まずは問題なく完走してこそだというのは分かっている」
「安全に行こうなんて考えはじめたら、逆にミスが起きるんじゃないかな」
「今の段階でそんな皮算用をし始めるのは、ばかばかしいとすら思える。まだまだあらゆるリスクが残っている。とにかく集中を切らしてはならない」