元F1チャンピオンのデイモン・ヒルは、F1を引退したセバスチャン・ベッテルについて、ある程度日常生活の空間を味わい、全体的なことを考えた後に、「なんらかの形で」F1に戻ってくると考えている。
F1最終戦が行われたアブダビで、ベッテルはふさわしい最後を飾った。彼はモータースポーツの最高峰で15年を過ごし、その間にF1で53回の優勝を挙げ、4回のタイトルを獲得した。ベッテルは祝賀や賛辞、見送りに満ちた感動的な週末を、10位にふさわしい走りをして締めくくり、キャリア最後のチャンピオンシップポイントを獲得した。
ベッテルは、家族との時間を多く過ごすこと以外には、多忙な生活から離れたところでどのように時間を過ごすかあまり考えていないと語っている。ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、かつての最大のライバルであるベッテルは、さらに多くを求めて戻ってくるだろうと考えていた。ヒルもハミルトンに部分的に同意しているが、ベッテルがF1パドックに戻る可能性には、F1ドライバーとして復帰することも含まれているのではないかと考えている。
「我々はまだ彼の最後を見ていない」とヒルはポッドキャスト『F1 Nation』で語った。
「彼は何らかの形でF1に戻るだろう。我々は彼に関心を持っているからね。彼はこのスポーツの大きな部分を占めているので、何らかの方法で貢献するために戻ってくるだろう」
「でも彼には空間と視点が必要だろう。とにかく、私の経験では確かにそうだった」
F1がどのような居場所をベッテルに用意しようとも、ベッテルは戻る場合はまったく異なる視点を持つようになるだろうとヒルは述べている。
「このスポーツは目が眩むようなものだ。パドック、グリッド、コクピットから世界を見ることになる」
「そうしたことのすべてから一歩下がることができれば、F1を世の中で起きているあらゆることのひとつとして見ることになる。F1は決して小さなことではないが、世界を支配しているわけでもない」
「そしてセブ(ベッテルの愛称)のような人物は、他にも起きていることがあるということ、F1のなかで世界をコントロールすることはできないということを、知らずにはいられないと思う。世界のすべての問題を解決するためにF1ができることは限られている」
いずれにせよ、F1を引退したばかりのベッテルは、新年に完全に自由な人間として目を覚ますだろう。
「2023年の初めに目を覚ますと、彼は自分のスケジュールを決められる。それには解放感があるが、かなり恐ろしいことでもある」
「彼はとても若い。私が引退したのは40歳のときだ。彼は何歳? 35歳なんて、まだまだとても若いものだ」