もっと詳しく

 前戦アメリカGPに続いて、このF1第20戦メキシコGPでも初日の2回目のフリー走行で、ピレリの2023年仕様のタイヤ開発テストが行われ、セッションは通常の60分間から90分に延長されて行われた。

 このタイヤテストはピレリがデータを比較しやすいように、さまざまな条件が加えられている。セットアップの変更が許されていないのはもちろんだが、ピットレーン出口でのスタート練習も許されておらず、さらにDRSの使用も不可となっている。

 ただし、フリー走行1回目でシーズン中に2回義務付けられている若手ドライバー起用によって走行できなかったレギュラードライバーは、特例でフリー走行2回目の前半45分までは通常通りの走行ができる。しかも、前半45分はセットアップの変更も可能となっている。つまり、今回のフリー走行2回目の前半45分間は、2022年のタイヤと2023年用に開発されたテストタイヤを装着したマシンが混走していた。

【角田裕毅F1第20戦密着】
FP2前半は規則の下、角田にはセットアップの変更が許された

 フリー走行1回目でリアム・ローソンにステアリングを譲っていた角田裕毅(アルファタウリ)は特例を利用して、前半45分間は2022年タイヤを履いて、プログラムを消化していた。角田以外にもニック・デ・フリースを走らせたメルセデスのジョージ・ラッセル、ジャック・ドゥーハンを走らせたアルピーヌのエステバン・オコン、ローガン・サージェントを走らせたウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが今年のタイヤを前半45分間に装着して走行した。

【角田裕毅F1第20戦密着】
FP2セッション序盤は2022年用タイヤで走行した角田裕毅(アルファタウリ)

 ただ、そのフリー走行1回目のセッション終盤に、角田のマシンに乗っていたローソンがトラブルで止まってしまった。角田が走行するフリー走行2回目に何か影響はあったのか。

「詳細は話せませんが、プレッシャーを失って、部品を変えなくてはならなかったので、少し走行時間を失ってしまったんですけど、それほど大きな問題ではなく、僕が担当したセッションはスムーズでした」(角田)

 角田が言うようにフリー走行2回目は上位3名がいずれも2022年のタイヤだったとはいえ、ラッセルに次ぐ2番手。同じ2022年タイヤを履いたオコンよりも速かったことは、角田にとって2日目以降に自信につながっている。

「走り始めて、すぐにバランスが悪くないことが確認できて、順調に自分のドライビングをコースに適応させることができました。アルピーヌより速かったことはポジティブにとらえています。ソフトタイヤでのタイムだけでなく、その後に行った2023年用のタイヤでの走行も、周りがどんなプログラムで走っているのかわからないですが、ペースは悪くなかったので、土曜日以降もその調子が継続できるようにしたいです」(角田)

 もちろん、ライバルの本当のペースは土曜日になるまでわからない。だがそれゆえ、今回は周囲に惑わされることなく、自分のマシンに集中できると角田は言う。

「今回はほかのチームのペースを気にしないで、自分のクルマのことだけに集中して、改善して予選でQ3を目指したい」

 昨年は2台そろってQ3に進出したアルファタウリ。その再現を期待したい。