ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツから2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権GTPクラスに参戦する新型LMDh車両『ポルシェ963』が、かつてのポルシェRSスパイダーのプログラムにおけるポルシェおよびペンスキーの成功にちなみ、カーナンバー6と7をつけることが、2022年のIMSA最終戦プチ・ル・マン開催中の9月30日にアナウンスされた。
来季2台がIMSAを戦うポルシェのLMDhファクトリーカーは、2006年から2008年にかけてチーム・ペンスキーとポルシェがALMSアメリカン・ル・マン・シリーズのLMP2カテゴリーで複数のタイトルを獲得したときと同じカーナンバーを使用することになった。
チームオーナーのロジャー・ペンスキーは、「カーナンバー6とカーナンバー7は、どちらもチーム・ペンスキーにとって豊かな伝統と歴史がある。ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのプログラムの新しい旅を始めるにあたり、その遺産をベースにしたいと思う」と述べている。
「カーナンバー6は56年以上前にデイトナ24時間レースでクラス優勝を果たし、チーム・ペンスキーにとって最初の勝利をもたらした」
「我々のチームは6号車、7号車ともに、長年にわたって多くのレースでの勝利とシリーズチャンピオンを生み出してきた。今後もその成功を積み重ねていきたい」
ALMSで最初に大きな成功を収めたのは6号車のポルシェRSスパイダーで、ルーカス・ルーアとサッシャ・マーセンが2005年にウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカで行われた公式レースの初戦でクラス優勝を飾った。このふたりは1年後にLMP2のタイトルを獲得している。
その後、7号車は3年間で16回のクラス優勝を果たし、ポルシェRSスパイダーは全盛期を迎えた。
このときふたつのタイトルを獲得したティモ・ベルンハルトは、「この勝利のおかげで、7という数字は僕の大好きな、そして最も幸運な数字のひとつになった」と語る。
「しかし、それ以前にも、ポルシェとペンスキーは、このカーナンバーでモーターレースの伝統を築いていた。1970年代、チーム・ペンスキーのポルシェ917は、ゼッケン6と7を付けてCan-AMシリーズに参戦していた」
「我々は、この伝統をALMSに引き継ぐ機会を得たことを大変誇りに思う。その思いは、来年ポルシェ963に乗るドライバーたちも同じだろう」
引退したベルンハルトはポルシェ963のドライバーラインアップには加わらないが、ポルシェは今後数週間のうちにドライバーの組み合わせを確定させる予定だ。2023年のウェザーテック選手権とWEC世界耐久選手権に向けては、現在のところ8名のドライバーが決定している。
なお、WECにおけるポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのプログラムにおいては、カーナンバー6と7は採用されないものと思われる。
かつてRSスパイダーのエンジン開発を担当し、現在はポルシェ・モータースポーツ部門のボスを務めるトーマス・ローデンバッハは、「レースナンバー6と7で飾られた新しいポルシェ963を見ると、アメリカでのRSスパイダーの栄光の日々を思い出す」と語っている。
「当時は、勝つべきレースではすべて勝った。当時はLMP2カテゴリーの勝利が中心だったが、それでも大きな成功を収めることができた。セブリング12時間レースでは、総合優勝を果たしたんだ」
「我々はいま、これらのかつての素晴らしい勝利に加えて、デイトナ、セブリング、そしてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の他のイベントでも総合優勝を目指して戦いたいと思っている」