ハイパーカー&GT3盛況の余波でLMP2が消滅? クラス間のバランスに悩むWEC

 WEC世界耐久選手権のフレデリック・ルキアンCEOは、LMP2クラスが2023シーズン終了以降に段階的に廃止されるという兆候が漂うなか、2024年のグリッドについては「バランスを検討する」必要がある、と述べた。

 トップカテゴリーであるハイパーカークラスへのエントリー数が増加すること、そして来季をもってLMGTE(アマクラス)が終了、2024年以降はGT3車両を用いたクラスへの高い関心が予想されることから、LMP2車両の活躍の場に影響が及ぶ可能性がある。

 ルキアンは、LMP2がル・マン24時間レースのグリッドには長期的に存在することは認めたが、それ以外のWECのラウンドでLMP2が除外されるかどうかについては明言を避けている。

WEC、2024年は年間8戦に拡大予定。新規開催地は「さまざまな選択肢がある」

 新型コロナウイルスのパンデミックが収束傾向にあることから、2023年は現状から1レース増となる7戦を行うWEC世界耐久選手権。シリーズは2024年、さらにレース数を増やして8ラウンドを開催する予定だという。

 WECのCEOを務めるフレデリック・ルキアンは、2024年の追加開催地については「さまざまな選択肢がテーブルの上にある」と述べている。

ル・マン100周年大会を含む2023年WECは全7戦に。富士6時間は9月10日開催予定

 9月29日、WEC世界耐久選手権は2023年シーズンの年間スケジュールを明らかにした。“シーズン11”として行われる来季は全7戦が予定され、日本ラウンドのWEC富士は9月10日に開催されることになった。

 今季の全6戦から1ラウンド増加した2023年のカレンダーに加わったのは、2021年シーズンに初めてWECが開催されたポルティマオだ。来シーズン、アルガルベ・サーキットで行われる耐久イベントは、ヨーロッパ地域で行われる4つめレースとしてカレンダーに復帰する。

女性ドライバーを含むWECルーキーテスト選抜メンバーが決定。ワドゥがハイパーカーをドライブへ

 9月16日、WEC世界耐久選手権は、最終戦バーレーンの翌日に行われるルーキーテストにシリーズの指名を受けて参加する選抜メンバーを発表した。

 LMP2ドライバーのリロウ・ワドゥはそのひとりであり、彼女は今季のチャンピオンシップを制したハイパーカークラスのマシンを、バーレーン・インターナショナル・サーキットでドライブする予定だ。恒例のルーキーテストは8時間レースの決勝翌日、11月13日(日)に開催される。