2022年シーズンのF1は、すでにマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを、レッドブルがコンストラクターズタイトルを決め、選手権の決着はついている。しかし第20戦メキシコGPでは、フェルスタッペンのシーズン最多勝利記録の更新がかかっていた。そんなメキシコGPを無線とともに振り返る。
レッドブルで才能あるドライバーの発掘・育成を務めるヘルムート・マルコ。自身への“冷酷”という評判を気にせず
レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、セバスチャン・ベッテルやマックス・フェルスタッペンのように、キャリアの非常に早い段階で未来のドライバーの才能を発掘し、育成することで高い評価を得ている。
ふたりともレッドブルの若手育成プログラム出身だ。しかし、同時に将来のスターを特定するということは、見込んだドライバーがトップレベルに到達しそうにないタイミングを見極めることでもある。マルコには多くの悪い知らせをドライバーに伝える責任があり、伝える相手は、子供がF1へのはしごの1段目を登るのを助けようとしているドライバーの両親である場合も多い。
F1ドライバーらがパドックに入るファンとの間にガイドラインを求める「境界もあってしかるべき。敬意ある行動が必要」
マクラーレンのダニエル・リカルドを含む多くのドライバーによると、近年世界中でF1人気が高まるなか、パドックでの問題も大きくなっているという。
F1は、インディカーやNASCARなどのより一般大衆向けのシリーズと比べて、ドライバーとファンの間に大きな距離を置いていると批判されていたものだった。元F1のCEOであるバーニー・エクレストンは、レース経営に直接関与していない人物にパドックパスを配ることはほとんどなく、F1は「ハンバーガー店ではなく、ミシュランの5つ星レストランだ」と明言していた。
ベッテル、F1最終戦アブダビGPに向けファン1000人のポートレートをあしらった特別ヘルメットを用意
今シーズン限りでF1を引退するアストンマーティンのセバスチャン・ベッテルは、最終戦アブダビGPで特別なヘルメットを用意するという。
ベッテルは、11月18〜20日の最終戦アブダビGPでF1での人生に幕を下ろす。しかし4度の世界チャンピオンであるベッテルは、グランプリドライバーとしての最後のレースをどこで終えるかにかかわらず、前向きな形でグリッドを去りたいと考えている。
【全ドライバー独自採点/F1第20戦】王者の走りを見せつけたフェルスタッペン。入賞目指す角田を襲ったインシデント
長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。今回はメキシコGPでの戦いぶりを振り返る。
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■評価 10/10:フェルスタッペンがチャンピオンらしい走りで完勝
マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選1番手/決勝1位
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はチャンピオンらしい走りでポール・トゥ・ウインを成し遂げた。最速マシン、レッドブルRB18の自分好みのバランスを見つけたのは予選終盤になってからだったが、最後のラップで他ドライバーたちに大きなギャップを築いてみせた。
ミハエル・シューマッハーのドライブしたF1マシン『フェラーリF2003』がオークションに出品
2003年にフェラーリのミハエル・シューマッハーがドライブしたマシン『フェラーリF2003』がジュネーブでオークションに出品されることになった。
フェラーリのF1マシンを所有することはめったにない特権だが、マラネロで生産された、最も成功したマシンのひとつを購入するチャンスは、まさに一生に一度のチャンスと言えるだろう。
コストキャップ違反の罰金の使い方は「FIA次第」とレッドブルF1代表。“苦境にある選手権”の救済に期待
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、FIAがレッドブルの予算制限違反の罰金700万ドル(約10億円)を活用することを期待しており、おそらくは苦境にあるWシリーズのように「苦戦している選手権」に恩恵を与えるべきだと述べている。
レッドブル・レーシングは先週、2021年にF1の予算制限レギュレーションに違反したとして、多額の金銭的ペナルティを科された。チームが罰金を支払う期限は30日以内だ。
F1の2022年第3四半期は、放映権とスポンサーシップの拡大により約1100億円の収益を記録。一方でコストの増加も
最新の財務報告書によると、F1は成長モードを維持している。新型コロナウイルスの流行が収束しているなか、2022年第三四半期は2021年の同期と比べ、総収入に改善が見られている。
7月初めから9月末までに、フォーミュラ・ワン・グループは7億1500万ドル(約1100億円)の収益を上げた。対して2021年同期の収益は6億6800万ドル(約979億円)だった。ただし、コストの増加により、グループ全体の減価償却費および償却前の営業利益は1億7600万ドル(約258億円)から1億5800万ドル(約232億円)に減少した。これら比較対象の四半期には、同様に7レースが開催されたことに留意すべきだろう。
F1ラスベガスGPのローンチイベントが開催。2023年開催決定を祝い、ハミルトンやペレスがデモラン
2023年にF1ラスベガスGPが開催されることが決定したことを受け、11月5日、シーザーズ・パレスで『F1ラスベガスGPローンチパーティー』が行われた。当日はメルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセル、レッドブルのセルジオ・ペレス、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンも登場、大勢のファンを楽しませた。
F1技術解説:メキシコGP(2)高地でフェラーリを苦しめたエンジン特性
2022年F1第20戦メキシコGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回「速さを見せたメルセデスW13が敗北した理由」 に続く今回は、メキシコの高地でフェラーリが苦戦した原因と、マクラーレンの冷却対策に注目した。