F1ロシアGPがキャンセルされたことで、第16戦イタリアGPの後に3週間のインターバルができたため、多数のチームがこの間にファクトリーで作業に励み、第17戦シンガポールGPで重要なアップグレードを入れるものとみられる。デザインチームは来季型マシンに集中すべき時期にさしかかっており、多くのチームにとって、これが今季型最後の大規模アップグレードになるだろう。
アルピーヌはすでに認めているように、2台のA522に新しいフロアを入れる予定だ。この新パーツは、ドラッグを増やすことなく大量のダウンフォースをもたらすと、チームは大きな自信を示している。スポーティングディレクターであるアラン・パーメインはイタリアGPの週末に、「シンガポールで新しいフロアを入れる。これによってダウンフォースが大幅に向上するので、シンガポールとその後の鈴鹿が特に楽しみだ。このマシンで走る鈴鹿は楽しいはずだ」と語っている。
フェラーリは、大規模でないものの、F1-75下部の空力面の改善を進めており、ベンチュリトンネル入口を改良し、サイドポッドのインテークの下部を変更している。このデザイン変更は、イタリアGPで導入した新しいフロアとともに、ドラッグを増やすことなくより大きなダウンフォースを生み出すという、すべてのチームが目標としている効率性を実現することが期待されている。
AMR22の改善に懸命に取り組んでいるアストンマーティンは、シンガポールに比較的多くの新パーツを持ち込むものと予想される。チーム代表マイク・クラックはイタリアで「シンガポールには今季最後の大型アップグレードを持ち込む」と述べた。詳細については明かしていないものの、チーム関係者によると、新型のフロントおよびリヤウイングを導入し、サイドポッドの下部に改良がなされるようだ。
アルファロメオは、多数の新パーツの導入を計画しながら、製造ペースが遅く、他チームに後れをとっている。シンガポールに向けて元々予定されていたアップグレードは、早くて翌週の日本GPに持ち込まれることになりそうだ。チーム代表フレデリック・バスールは、「完全なパッケージの準備ができるのはアメリカGPになってしまうかもしれない」と語っている。