新たな車両レギュレーションとともに迎えた2022年シーズンのF1。全22戦中16戦を終えて335ポイントを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)が選手権を大きくリードし、9月30日〜10月2日に開催される第17戦シンガポールGPの結果次第では、第18戦日本GPを前にドライバーズタイトルが決する可能性が出てきた。ここでは、シンガポールGP終了時点でのフェルスタッペンの2年連続タイトル獲得の条件を見ていこう。
今季これまでに11勝、第12戦フランスGPから第16戦イタリアGPまでは5連勝を飾っているフェルスタッペンはドライバーズランキング2位につけるシャルル・ルクレール(フェラーリ/219ポイント)に対し、116ポイントの大差をつけている。なお、ランキング3位にフェルスタッペンのチームメイトのセルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング/210ポイント)、ランキング4位にジョージ・ラッセル(メルセデス/203ポイント)が続いており、ランキング2位争いは混戦模様だ。
2022年のF1で優勝で得られるポイントは25ポイント。さらにファステストラップを獲得できればボーナスの1ポイントが獲得できるため通常の1大会で獲得できる最大ポイントは26ポイントとなる。また、シンガポールGP終了時点で残す大会数は5大会。そのうち、ブラジルGPはF1スプリントが開催される。土曜日に開催されるF1スプリントでトップチェッカーを受けると8ポイントを獲得できるため、日本GP、アメリカGP、メキシコGP、ブラジルGP(スプリント有)、アブダビGPの5大会で獲得できる最大ポイントは138ポイント(26×5+8)となる。
つまりフェルスタッペンは、シンガポールGP終了時点でライバルに対し138ポイント差をつければ、その時点でドライバーズタイトルを手にする。これをイタリアGP終了時点でのポイント差に当てはめると、ルクレールに対しあと22ポイント差、ペレスに対しあと13ポイント差、ラッセルに対しあと6ポイント差となる。
これらの条件をもとに、シンガポールGPでフェルスタッペンが優勝すると仮定すると『ルクレールが9位以下』、『ペレスが4位以下、もしくはファステストラップの1ポイントを手にした上でも5位以下』となれば、フェルスタッペンが2年連続のドライバーズタイトルを手にする。また、フェルスタッペンが優勝とファステストラップをマークした場合には、『ルクレールが8位以下』、『ペレスが4位以下』という条件でフェルスタッペンの王者獲得が決まる。
それだけに、ルクレール&フェラーリ陣営にとって、シンガポールGPは絶対に落とせない一戦とも言える。フェルスタッペンが圧倒的なリードを築くなか、フェラーリとルクレールがどこまであがくことができるのかが今大会の鍵となりそうだ。
もし、シンガポールGPでタイトルが決することがなくとも、翌週に控える日本GPでフェルスタッペンがライバルに対し『112ポイント差』を築いて終えれば鈴鹿でタイトルが決定する。それゆえに、シンガポールと日本のアジア2連戦は2022年シーズンの天王山と呼ぶにふさわしいだろう。10月7〜9日に鈴鹿サーキットで3年ぶりに開催されるF1日本GPを観戦する上でも、このシンガポールGPの戦いからは目が離せない。
■マックス・フェルスタッペンのタイトル獲得条件
M.フェルスタッペン | C.ルクレール | S.ペレス |
---|---|---|
優勝 | 9位以下 | 4位以下orFL+5位以下 |
優勝+FL | 8位以下 | 4位以下 |
※上記表は2022年シンガポールGP優勝でマックス・フェルスタッペンが優勝した場合
FL:ファステストラップ(1ポイント)