9月29日、WRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランドのシェイクダウンが行われ、選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がベストタイムをマークした。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はトップと1.5秒差の9番手となっている。
今シーズン、中盤戦までに5勝を挙げチャンピオンシップをリードしてきたロバンペラ。彼はこのニュージーランド・ラウンドで、現在ドライバーズランキング2位につけるオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)との点差を8ポイント以上拡げると、残り2戦を残して史上最年少チャンピオンを確定させることができる。
そんな彼が全長3.54kmのグラベル(未舗装路)ステージで行われたラリーのウォームアップで幸先の良いスタートを切った。今週末の10月1日に、22歳の誕生日を迎えるロバンペラは3回目の走行で自己ベストを2秒更新する1分27秒7をマーク。
このタイムは4回目のランで、ともに自己ベストを更新したティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)の1分27秒8をコンマ1秒上回り全体のファステストとなった。
ロバンペラとタイトルを争うタナクは、トップとコンマ2秒差のタイムを刻みヒョンデのチームメイトたちに続いて4番手につけている。トップ5の最後を占めたのは、シーズンの残り3戦にトヨタGRヤリス・ラリー1で出場するセバスチャン・オジエだ。
選手権リーダーのロバンペラはフルデイ初日、金曜のステージで道を切り開いていかなくてはならない。そのため21歳の彼は現段階で出ている雨の予報が現実のものとなり、天候が彼にとって有利に働くこと、具体的には“路面の掃除役”としての負担が軽減されることを期待している。
「すべていい感じだった」とシェイクダウン後に笑みを見せたロバンペラ。
「フィーリングはいいが、(金曜日に)道を開けていくのは大変だろうね」
「シェイクダウンのときもルーズグラベルが多くて大変だった。(期待している雨が降らなければ)いつものように大きな挑戦になりそうだ」
トヨタの僚友、エルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)はオジエから0.3秒遅れて6番手に。同タイムでMスポーツ・フォードWRTのガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)が7番手につけ、ここまでがトップと1秒以内となった。
8番手はロバンペラから1.5秒遅れたクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)で、勝田も同タイムで9番手につけている。トップ10最後のひと枠にはWRC2仕様のi20を駆る地元のヒーロー、ヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー1)が入った。
WRCイベントとして10年ぶりに開催されるラリー・ニュージーランドの初日、デイ1は29日・木曜の18時08分(日本時間14時08分)からスーパーSS形式でのSS1が行われる。
■2022年WRC世界ラリー選手権第11戦ラリー・ニュージーランド シェイクダウン結果
Pos. | No. | Driver | Machine | Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 69 | K.ロバンペラ | トヨタGRヤリス・ラリー1 | 1’27.7 |
2 | 11 | T.ヌービル | ヒョンデi20 Nラリー1 | +0.1 |
3 | 2 | O.ソルベルグ | ヒョンデi20 Nラリー1 | +0.1 |
4 | 8 | O.タナク | ヒョンデi20 Nラリー1 | +0.2 |
5 | 1 | S.オジエ | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +0.5 |
6 | 33 | E.エバンス | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +0.8 |
7 | 44 | G.グリーンスミス | フォード・プーマ・ラリー1 | +0.8 |
8 | 42 | C.ブリーン | フォード・プーマ・ラリー1 | +1.5 |
9 | 18 | 勝田貴元 | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +1.5 |
10 | 20 | H.パッドン(WRC2) | ヒョンデi20 Nラリー2 | +7.6 |
11 | 37 | L.ベルテッリ | フォード・プーマ・ラリー1 | +7.8 |