この10年で車内における楽しみ方は大きく変化した。以前なら車内であってもTV番組を見るか、録画したDVDを再生するのが定番だったが、今やインターネットへ接続してYouTubeやAmazon primeなどの動画配信サービスを見るのが当たり前になってきている。
となれば必要となるのが車内Wi-Fiだ。車内をWi-Fi空間とするにはどんな方法があるのか。最適なプランを考えてみたい。
文/会田 肇、写真/パイオニア、docomo、povo、AdobeStock(トビラ写真=Travel man@AdobeStock)、ベストカーWeb編集部
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■その1:スマホのテザリング機能を使うときはデータ上限に注意
車内でネット環境を構築するには大きく3つの方法がある。手軽さの順番で紹介すると、一つ目はもっとも身近なのは手持ちのスマートフォンのテザリング機能を使う方法だ。二つ目は車載専用のWi-Fiルーターを契約する方法で、少しハードルが高いのが三つ目となるモバイルWi-Fiルーターを契約する方法だ。
ここからは、それぞれのメリットとデメリットを紹介していきたい。
まずは一つ目のスマートフォンのテザリング機能を使う方法だ。ほとんどの契約で追加の費用なく、手持ちのスマホを設定で「テザリング」をONに切り替えればすぐに使える。
しかも、同時に5台から10台程度まで同時に使うことができるため、新たに機器を購入しなくても車内Wi-Fi化できるのがこの方法最大のメリットと言えるだろう。
一方、この方法で注意すべきは、スマートフォンで契約しているデータ容量の上限を超えると、その時点から通信速度が128kbps程度に落ちてしまうことだ。
回線速度が遅くなってもメールやインターネットは何とかなるが、YouTubeなどの動画を見るにはかなり厳しい。車内Wi-Fiで動画コンテンツを頻繁に見る場合には、あらかじめ家族で1回線をテザリングのために使い放題契約をしておくといいと思う。
また、車内Wi-Fiにテザリングを使う方法でオススメなのがauの「povo2.0」だ。このプランは基本料金が0円で、必要なときだけ必要なデータ量を加える使い方ができる。
たとえば月に1度、家族旅行で使う程度なら24時間データ使い放題プランがいい。料金はその時の分として330円(税込み)だけで済むので、たとえばテザリングに対応した少し古いスマートフォンをpovo2.0用として準備しておくと便利だろう。
■その2:車載専用ルーターは多彩な料金プランが選べる
次に車載専用Wi-Fiルーターを使う方法だ。パイオニアの車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」はNTTドコモの「docomo in Car Connect」と呼ばれる、クルマでの利用を前提として提供されるものだ。同時に最大5台まで接続でき、回線はNTTドコモのLTE回線が使い放題となる。
使い方はシガーライターソケットに電源アダプターを差し込むだけ。取り付けるクルマを選ばず、車内に持ち込んだらすぐに車内Wi-Fi環境が完成するのもメリットだ。
この機器で注意すべき点は、あくまで車内Wi-Fi専用となっていることだ。走行中の振動を検知する機構を採用しているからで、エンジンを始動してからは30分間まで、さらに走行後は60分間で使えなくなる。なので、車内から持ち出して使うことはできず、クルマを停めた状態で長時間使うこともできない。
キャンプや車中泊などで、停止中に連続して使いたいなら、パイオニアのサイバーナビに用意されているWi-Fiルーター付モデルをセットで購入するのがいい。
docomo in Car Connectを使うのは同じだが、こちらは走行中以外でも使えるのがメリット。あくまでサイバーナビと組み合わせて使うことを前提とすることで、この制限をなくしているのだ。
いずれも料金プランは多彩で、もっともミニマムなのが550円(税込み)/日で、このプランは使うときに必要な分だけ申し込むスタイルが最適となる。
それ以外にも30日プラン=1650円(税込み)、365日プラン=1万3200円(税込み)も選べるので、頻繁に車内Wi-Fiを使うならこのお得なプランを選ぶといいだろう(注:サイバーナビとのセットプランでは最初の1年間は無料で使い放題となる)。
■その3:モバイルルーターは便利だが料金がちと高め
そして3つめのプランがモバイルWi-Fiルーターを契約する方法だ。どこへでも持ち出せるため、車内での利用はもちろん、出かけた先のホテルやアウトドアでも使うエリアに制限なく使えるのがメリットだ。最近はルーターの小型化も進み、ポケットなどに入れておいて気軽に使えるようにもなっている。
料金プランは少し高めの設定となっており、たとえば「UQ WiMAX」ではデータ制限がないプランで4268円(25ヶ月間まで。それ以降は4950円/税込み)となる。
スマートフォンのように電話機能もないため、データ通信のためだけに定額でこの金額がかかることになる。それだけに日常的にデータ通信を多用する人以外にはオススメしにくい。
この料金プランで見逃せないのは、auやUQ mobileのスマ-トフォンと組み合わせれば、スマホ側の料金が永年割引となるプランも用意されていること。スマホをauやUQ mobileでOKならそれを検討することもオススメしたい。
■自分の利用パターンにあった方法を選ぼう
クルマの移動中にデータ通信が使えればドライブがいっそう快適になることは間違いない。しかし、家族で遠乗りする機会が年に数回しかないのならスマホのテザリングで十分だし、走行中での利用が基本でデータ容量を気にすることなく使いたいなら車載専用Wi-Fiルーターを使うのがベストだろう。
また、車載Wi-Fiルーターなら、サイバーナビとのセット購入という選択肢もある。これなら走行中のみという制限がなく、キャンプや車中泊での利用も可能となる。
一方で、様々なシーンでのデータ通信を利用する機会が多いなら最初からモバイルWi-Fiルーターを契約するのがオススメだし、その場合はスマートフォン側の契約を安いプランにしておくことも可能となる。
重要なのは自分の利用パターンをしっかり把握すること。料金や目的に合わせて最適なプランを選んで見て欲しい。
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