トヨタ・モータースポーツ・アメリカ(TMNA)は、11月1日からアメリカのラスベガスでスタートしたSEMAショーで、トヨタ・モータースポーツ・ガレージチームなどと協業で制作したコンセプトカーやレーシングカーを展示する。TOYOTA GAZOO Racingがレースやラリーでの挑戦と勝利の積み重ねから得た知見を市販車やコンセプトモデルの開発に反映した『GR』のラインアップを、北米最大規模の自動車カスタマイズ愛好家のイベントであるショーで提案するのが狙い。
今回SEMAショーで展示されるのは、トヨタ・モータースポーツ・ガレージチームと制作した『GRカローラ・ラリー・コンセプト』、『GRスープラ“10セカンド・ツインズ”』、ラリー・チェン氏が制作したドリフトコンセプトカー『GR86デイリー・ドリフター』、さらにTOYOTA GAZOO Racingノースアメリカ(TGRNA)が2023年から開催するワンメイクレース『GRカップ』参戦用カップカー『GR86カップカー』という4車種だ。
『GRカローラ・ラリー・コンセプト』は、WRC世界ラリー選手権に参戦するトヨタGRヤリス・ラリー1にインスパイアされたカスタマイズカー。2023年型GRカローラ・サーキットエディションをベースに制作され、アグレッシブで機能的なボディワークでダウンフォースの最大化を実現。ラリーのための装備に特化、不要な部品を取り外し軽量化を図っている。
また『GRスープラ“10セカンド・ツインズ”』は、トヨタとトヨタ・モータースポーツ・ガレージチームが1万ドルの予算で制作した、10秒台で4分の1マイルの直線コースである“ドラッグストリップ”を駆け抜ける“双子”のカスタマイズモデルで、2020年式GRスープラ3.0がベースとなる。30~40%の馬力アップ、高性能インタークーラー、高性能ラジエーター、トランスミッションクーラー、リヤアクスルの改良等により発進時に最大の駆動力を発揮する。
『GR86デイリー・ドリフター』は、1,000馬力越えのドリフトカーを彷彿とさせながらも、一般のクルマ好きの誰もが製作・維持できるような車両を目指し、市販GR86をベースにフォトグラファーであるラリー・チェン氏が自宅の工房で制作した一台。誰もがサーキットで高性能を発揮し、楽しめる、信頼性の高いクルマに仕上がっているという。
そして『GR86カップカー』は、2023年からTGRNAによりスタートするSROモータースポーツ・アメリカ公認のワンメイクレース『GRカップ』参戦用のカップカー。日本でもGR86/BRZ Cupが開催されているが、TGRNA専用設計のスプリッターやカーボン製リヤウイング、ストラタシス製カスタムボディなどが採用され、見た目の印象は異なる。