F1第17戦シンガポールGPが開幕する1週前の9月22日、アルファタウリが角田裕毅の2023年残留を発表した。
「チームが発表する数日前、いや1週間前だったかな、チームから決定を知らされました」と言う角田。1年前に残留が発表されたときは「正直、驚いた」と語っていたが、今回は「残留することにはかなりの自信がありました」と振り返った。
ただし、F1の世界では何が起こるかわからないことは、今年の夏に起きたシート争いが何よりも証明している。角田も「確定するまでは少しストレスがありました」と、その胸の内を明かし、こう続けた。
「もちろん、コースを走っているときは気にならないのですが、クルマから降りてヘルメットを脱いだ後、どうしても考えてしまうんです。でも、これでそういったことを心配することなくシンガポールと日本に向かい、レースの週末はレースへの準備だけに集中することができます」
角田にとって、シンガポールでレースするのは初めてのこと。
「シンガポールを走るのは初めてなので簡単な週末ではないと思いますが、ファクトリーでしっかりとシミュレーターに乗ってきたので、いつものグランプリと同じように焦ることなく、しっかりとプログラムを進めていきたいと思います」
そんな角田に、シンガポールGPでは力強い味方がやってきた。新しいノーズとフロントウイングだ。前戦イタリアGPまで使用してきたノーズ&フロントウイングは、フロントウイングの先端の下にノーズが潜り込んでいたが、シンガポールGPに投入したものはフロントウイングの上にノーズが乗った状態になっている
そのフロントウイングを装着して走った角田は「ポジティブな印象だった」と言うが、初日は17番手に終わった。しかし、それはマシンに燃料系の問題が出たために、ソフトタイヤでのアタックを完了することができなかったからだった。
「ソフトタイヤでアタックできなかったことよりも、ここは初めてなので、少しでも多くのラップを重ねることができなかったのが残念です。でも、まだフリー走行3回目があるので、そこで何をすべきかを今晩考えたいと思います」
前回、大幅なアップデートを投入したフランスGPも、初日は14番手だったが、その後、盛り返して、予選でQ3に進出した。2日目以降の挽回に期待したい。